アベノ・ブラック②


前回の『アベノ・ブラック①』の続編なのですが、その前に、一言。

かっての私のブログ記事より
『テレビで報道されなかった真実』 2010.02.07

米国の国際金融資本の諜報機関CIAの解禁された機密文書の中で、安倍首相の祖父・岸信介は、首相時代、CIAの操り人形であったことが明記されている。

更に、それを深く掘り下げたのが
ニューヨーク・タイムズ紙のティム・ワイナー記者(ピュリッツアー賞受賞記者)の著、『灰の遺産 CIAの歴史』
上記著書で、当時の自民党岸信介首相が、CIAから金を貰い、いかに日本を裏切り通したかが分かる。

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そして今、安倍首相は祖父と同じ道を歩んでいる。
国際金融資本の代理人竹中平蔵の操り人形となって。

昨年、自民党安倍総裁として叫んでいたことは
   『私には、やり残したことがある!』 

やり残したこととは、TPPで日本の財を国際金融資本に献上し、その後、日本の円をデフォルトし、日本を国際金融資本の支配下に置くということ?

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以下、前頁 『アベノ・ブラック①』 http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/62058626.html の続編

アベノ・ブラック②』

 清和会VS.経世会

  福田=小泉=安倍ライン(清和会系)と、田中=竹下=橋本=小渕のライン(経世会系)を比べてみると、同じ自民党でもまったく違う政治思想のもとに行動し、異なる政策を実行してきたということがわかる。

一番の違いを簡単に言えぱ、前者がアメリカにとって利益になる政権であり、後者は必ずしもそうではない政権だということだ。

  既に述べてきたように、岸から連なるラインはアメリカに有利な政策を全面的に遂行し、CIAからカネをもらい、ヤクザや右翼をはじめとした黒い人脈をフル活用して政権を維持してきた。

 一方の経世会ラインに対するアメリカの対応は、実に冷ややかなものだった。例えば小渕が総理人臣に就任するのを一番嫌がったのはアメリカである。

冷めたピザ」のように魅力のない総理大臣だ、と『ニューヨーク・タイムズ』に書かれたことを覚えている読者もいるだろう。

  また、経済・財政政策が違っている。清和会系は緊縮財政でアメリカ・共和党流の「小さな政府」を目指す。社会福祉や公共事業には熱心でない。むしろ、弱肉強食的な市場原理を肯定する。努力した人間が勝って何が悪い、という発想だ。

経世会系は積極財政で、公共事業などを行なってとにかく景気を良くする。社会福祉にも力を入れる。なるべく公平に分配しましょう、という考え方である。

  外交政策はもっと明瞭だ。田中角栄の功績として挙げられている日中団交回復。田中はアメリカ一辺倒ではなく、ヨーロッパやアジアとも満遍なく外交関係を強化していこうという考え方だった。

福田赳夫は台湾派である。中国共産党とは国交を結べないという考えから、日中国交回復に猛反対した。対米追随の反面、アジア諸国に対しては一貫してタカ派的な態度を取る。これが福田ラインの特徴だ。

  今の自民党は、清和会的な人、つまり小泉的な人しか生き残れなくなっている。経世会のドンであった野中広務が引退を決意したのは、小泉政権アメリカベったりのスタンスで新自由主義的な経済政策を強硬に推進し、弱者切り捨てを平気で行なうようになったからだという。

  旧経世会橋本龍太郎が引退を余儀なくされた日歯連ヤミ献金事件で決定的に弱体化した。この事件では、村岡兼造・元官房長官が逮捕されたが、結局無罪となった。真相は今もってよくわかっていない。

  経世会ラインの政治家たちが汚職、スキャンダルまみれだったことは事実だ。田中角栄竹下登など、叩き上げで生き残ってきた政治家が多い。

彼らが権力を握るにはカネが必要だった。一方、清和会のラインは、昔からアメリカなどから潤沢な資金をもらっていた連中である。つまり、カネに困っていないのだ。果たしてどっちがマシだったのか。


 仕組まれたロッキード事件

  1976年に発覚したロッキード事件も、アメリカが田中角栄潰しのために仕組んだ陰謀である可能性が高い。

ロッキード社は、全日空の旅客機に自社の「トライスター」を導入させるため、合計30億円のカネを日本政界工作に使ったといわれている。そのうち5値円を総理大臣だった田中が受け取ったとされ、田中は収賄容疑、外為法違反容疑などで逮捕された。

  なぜロッキードが仕組まれた事件であるのか。ここにもまた、岸の盟友である右翼の大物・児玉誉士夫が介在する。

ロッキードからのカネは、日本におけるその代理人であった児玉を通して分配されていた。児玉は「コンサルタント料」として個人で21億円のカネを受け取っていたといわれている。

つまり30億円のほとんどは児玉個人に渡っているのだ。ところが、捜査やマスコミの関心は田中に流れた5億円ばかりに集中し、児玉が受け取ったカネについてはまったく解明が進まなかった。

  実はロッキード社の狙いは旅客機ではなく、軍用機のほうにあったといわれている。ロッキードの日本側代理人である児玉は、岸や自民党の人物たちに働きかけ、ロッキードの戦闘機F-104を自衛隊機に選定させるよう工作を行なっていたのだ。

  また、ロッキード社のP3C対潜哨戒機導入という大問題もある。当時の防衛庁長官だった中曽根康弘官房副長官たった故・後藤田正晴などをはじめとする有力な自民党議員のほとんどすべてが、P3C導入をめぐって賄賂をもらっていたといわれている。 

つまり、事件の本丸は民間機ではなくて軍用機なのである。自衛隊ロッキード社の軍用機を採用すれば、動くカネは旅客機と比較にならないほど大きい。

  検察や国会は、軍用機ルートのほうに力を入れて捜査、真相究明をするべきだった。ところがそれでは自民党政権自体が無茶苦茶に壊れてしまう。

そこで、わざと田中の賄賂だけを取り上げ、欧米のマスコミに騒がせるよう、CIAが工作したのである。そうしなければ。“親米の砦”を失ってしまうからだ。

  田中は日中国交回復や、独自のエネルギー政策を提唱するなど、明らかにアメリカから距離をおく自主外交路線を選択していた。

アメリカにとってそれは非常に気に食わないことでもあった。だから、この機に乗じて田中だけを潰そうという狙いもあったのではないかといわれている。

それが田中の5億円だけを取り上げて、児玉に流れた30億円の大半について解明がまったく進まない理由の一つである。

  よくよく考えてみれば、アメリカと親しい関係にある政治家はいくらスキャンダルが出てきても逮捕されない。

イトマン事件の亀井静香、泉井疑惑の山崎拓もそうだし、小泉にせよ森喜朗元首相にせよ、政治生命の危機に瀕することはあっても、警察・検察に捕まることだけは避けられている。

  ロッキード事件から「CIAにさえ狙われなければ、何をやっても大丈夫だ」「アメリカと親しくしていれば、警察も検察も怖くない」と政治家たちが確信するようになり、対米従属を深めていく悪循環が始まったのだ。


 “小渕暗殺説”中の真実

  アメリカやそれに連なる勢力は、特定の政治家だけを逮捕させるだけでなく、直接手を下したことがあるのではないか、という説がまことしやかにささやかれている。

  例えば、橋本龍太郎は彼と親しい慶応病院ではなく、まったく別の病院で腸の半分を切り取られて死んだことから、何かの陰謀で殺されたのではないかという人がいる。

  小渕も何者かによって一服盛られたのではないかという説を唱える人もいる。

  これらはかなり眉唾モノの話だが、それだけ彼らの死によって得をする人間がいたわけだ。だから憶側が憶測を呼ぶことになる。

  怪しげな情報の中にも少しの真実はある。少なくとも、田中の失脚や小渕の死によってアメリカは非常に得をした。

特に小渕の死の場合は明瞭だ。すぐあとに森喜朗小泉政権が発足し、次々とアメリカに都合のよい政策を実行したのだから。

竹中平蔵氏のようなアメリカの“利益代理人”が政権ブレーンとして重用されだしたのも、ちょうどこのころからである。

森は支持率が低いうえに失言、失政が多く、使い物にならず小泉に取って代わられたが、それでも小渕の死のタイミングは非常によかったのである。

                                以上で転載終わり