逸話で簡単に騙される日本人

 
騙されやすいのが日本人でしょうか。
騙すより騙された方が良いと考えたとしても、虎の子を騙されてとられ、みじめな老後を送っている人もいるわけですから、常日頃、騙されないように自己防衛を図らなければなりませんね。
さて、この記事はある本の紹介です。
お読みになった方やその内容をご存知の方が多いでしょうが改めて。
 
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最後のパレード
 ディズニーランドで本当にあった心温まる話
  発行年月 2009年03月
  著者:中村克
(ナカムラ マサル オリエンタルランド{TDL}元スーパーバイザー) 
同書のまえがきで、中村氏は「東京ディズニーランドのキャストだけが知っている秘密のストーリー」と記している。
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その中でのエピソードはオリエンタルランド元取締役(堀貞一郎顧問)も講演に利用していた。
 
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逸話その1)
『娘のいないテーブル』
 
東京ディズニーランドワールドバザールにあるレストランで実際にあったお話です。

 二人連れの若いご夫婦がレストラン「イーストサイド・カフェ」に食事に行きました。
ウェイトレスが2人を二人がけのテーブルに案内してメニューを渡しました。

2人はそれぞれAセット一つとBセット一つ注文しました。
オーダーし終わったとき、奥様が追加注文しました。「お子様ランチをひとつ下さい」と・・・

ウェイトレスは「お客様、誠に申し訳ございませんがお子様ランチは小学生のお子様までと決まっておりますので、ご注文は頂けないのですが・・・」と丁寧に断りました。

すると二人は顔を見合わせて複雑な残念そうな表情を浮かべました。
その表情を見てとったウェイトレスは「何か他のものではいかがでしょか?」と聞きました。
すると、二人はしばらく顔を見合わせ沈黙した後、奥様が話出しました。

 実は今日は昨年亡くなった娘の誕生日だったのです。私の身体が弱かったせいで、娘は最初の誕生日を迎えることも出来ませんでした。
子供がおなかの中にいる時に主人と3人でこのレストランでお子様ランチを食べようねって言っていたんですが、それも果たせませんでした。
子供を亡くしてから、しばらくは何もする気力もなく、最近やっとおちついて、亡き娘にディズニィーランドを見せて三人で食事をしようと思ったものですから・・・」

その言葉を聞いたウェイトレスは2人を四人がけのテーブルに案内しました。
仲間に相談して全員の賛成を得て、お子様ランチのオーダーを受けました。
そして小さな子供用の椅子を持ってきて「お子様の椅子はお父様とお母様の間でよろしいでしょうか?」と椅子をセットしました。
その数分後・・・「お客様、大変お待たせしました。ご注文のお子様ランチをお持ちしました」とテーブルにお子様ランチを置いて笑顔で言いました。
「どうぞ、ご家族でごゆっくりお楽しみください」

数日後、若いご夫婦から感謝の手紙が届きました。

「お子様ランチを食べながら涙が止まりませんでした。こんな体験をさせていただくとは夢にも思いませんでした。これからは涙を拭いて生きて行きます。また行きます。今度はこの子の弟か妹を連れて・・・」
 
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逸話その2)
二度の脳梗塞で重度の障害が残った夫は狭心症発作を繰り返しながら自宅療養を続けている。 
人との接触を求めて、時折外出する。
冬の一日、急に思い立って遊園地へ行った。
広場の隅に車椅子を止め私は傍らに立って元気に走り回る子どもたちを見ていた。
思ったより寒く、早く帰らねばと思った。
その時広場に歓声があがった。
 
ドナルドダックの着ぐるみを着た人が現れ 子どもたちがどっと駆け寄ったのだ。
ところがそのあひるさんは子どもたちをかき分けてどんどん駆けてこちらへ近づいて来る。
広場の隅にいる私たちの方へ……。
車椅子に乗った夫の前へ来ると大きく一礼して大きな手で夫の背中を撫でてくれる。
二度、三度、突然の出来事に私達も周りの人も驚いた。
夫の背中を大きく撫でて、今度は私の腕をさすり両手で包みこんでくれる。 大きな白い温かい手で……。
やさしさが老二人を包み、その温かさが周りに広がり見ていた人達の間から拍手が起こった。
夫の顔を見ると、涙がほろほろ頬を伝っている。
風の冷たさを忘れた。
「やさしさをありがとう」 と言うのが精一杯の感謝の言葉。
あひるさんはウンウンと頷いてもう一度夫の背中を撫でて、子ども達の方へ駆けていった。
思いがけない出来事だった。
着ぐるみだからお顔は見えない、お声も聞けなかった。

けれど、やさしさと励ましのお心はしっかりといただいた。
病む夫にも、 介護の私にも元気をくださったあひるさん、ありがとう。
 
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逸話その3)
あるゲストがレストランで何気なく指輪をいじっている時指輪を落としてしまった。
入り込んでしまった場所が悪くて、高床になっているテラスの板と板の隙間に入り込んでしまいました。どう考えても取れないような場所です。
困っている様子に気づいたキャストに事情を説明すると、
「今すぐ取って差し上げることは出来ませんが、指輪は必ずお手元に届けます」
と言ってくれました。
しかしキャストはこう続けます。
「この床は店内までそのままつながっているので、板を途中で切ってしまわなければいけません。それが可能な状態になるまで少々お時間をいただけますでしょうか?」

ゲストは、さすがにそこまでしてもらわなくてもいいと断りましたが、三週間後ディズニーから連絡があり、指輪は手元に戻ったそうです。
 
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いかがでしたか?
この逸話を読んで。
この本の発行部数推定37万部。
読者の大半は感動し、涙し、改めてディズニーランドファンになりました。
 
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で、これで話は終わったらめでたし!めでたし!でしたが。
 
実は出版社がこの本は盗作疑惑が強いとして自主的に店頭から回収したもの。
更に出版社は『読売新聞』・『毎日新聞』に謝罪広告を掲載したのです。
 
では、著者は何から盗作したかというと、
 
読売新聞によると掲載された 「小さな親切はがきキャンペーン」の入賞作品 「あひるさん、ありがとう」 日本郵政公社総裁賞作品がほぼそのまま収録されており、他に掲載されている他のエピソードも2ちゃんねるに投稿された文章と酷似しているとのこと。
例えば西武遊園地でのエピソードを盗用、改変したものがあります。
 
最も感動したであろう『逸話その1)』の『娘のいないテーブル』の場合は、
 (無名草子さん):2009/04/21(火) 08:37:57  >>547 お子様ランチの話、二十年くらい前に関西のラジオで(浜村淳だとオモ)聞いた覚えがあるわ。でもそれはディズニーランドではなく、大阪のデパートのレストランで、夫婦がそれぞれ自分たちのメニュー 注文した後に、お子様ランチを一つと言う話だったわ。
 
ネット掲示板からの盗用、改変については著者でさえ「本当のことかわからない」と答えています。

つまり、この本に掲載されている逸話のどれ一つをとっても、ディズニーランドで起きたことではないのです。
 
処が、盗作疑惑と書いた読売新聞に対して著者がネットで反論したこととは、
「読売グループとディズニーでは集団IQが違い過ぎる。
ディズニー出身者から見れば集団IQはディズニーが200とすれば読売は60くらいだろう」 と。
 
驚きましたね。
と言っても、居直るところがこのような人物に共通していることですね。
 
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この件で改めて思ったこと。
 
我等日本人は、簡単に騙される民族なのですね。
疑うことを知らない。
 
昨今の代表的な例は、民主党マニフェストですかね。
それと、韓流歴史ドラマでしょうかね。
そうそう、枝野の「人体に影響がありません」もそうでしたね。
純粋すぎるのかもしれませんね。気付いた時にはもう遅い!