青信号 みんなで渡って肺炎

 
『忘却とは忘れ去ることなり 忘れ得ずして忘却を誓(ちこ)う心の悲しさよ』と言ったら知らない人が大半かも。
『君の名は』と春樹・真知子の名前は忘却の彼方へ。
 
実はこの『君の名は』は、『哀愁』をネタにしたもの。
 
(参考)映画『哀愁』1940年
空襲警報が鳴り響く“ウォータールー橋”で出会った英国将校クローニン(ロバートテイラー)とバレエの踊り子マイラ(ヴィヴィアンリー)。
 
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さて、本題。
『喉元過ぎれば熱さ忘れ』『臭いものには蓋』とは我等日本のことわざ。
東京の街中の映像をテレビで観るも、『過去とは忘れ去るもの』なのですかね?
 
然し、過去を忘れても、紛れもない現実がある。
 
10月18日の武田邦彦教授によると、通常の小児の甲状腺異常(結節など)は100人に1人程度で多くても3人だが、。福島の子どもたちの100人に約40人に異常が発見され、特に小学生の女児は55人に及んだという。
 
この問題は福島だけではない。
国立感染研究所の感染症統計(過去10年)の中で表示されているものだけで、何が起きて、今後、何が起きるのかが分かる。
 
注)恐らく、この統計の中には福島県が入っていないものと思われる。
 
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下記の表は、過去10年の年別患者数。
 
注)
赤い太線が今年2012年の推移。
水色の線が ー●ーが昨年2011年の推移。
 
グラフの下段横の数字は、元日からの経過週。年間が53週。
(例)数字の1が1月の最初の週。33前後が8月。53が12月の最後の週。
 
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このグラフでは、全国的に昨年2011年は、先ず『眼』『口』をやられ、後半から今年2012年は、『気管支』等から『肺』をやられている。
 
『赤信号 みんなで渡ると怖くない』どころではない。
地表の塵は怖い。『青信号 みんなで渡って肺炎』である。
 
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急性出血性結膜炎(AHC)  去年の8月前後が異常
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急性出血性結膜炎(AHC)は、主としてエンテロウイルス70 (EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる、激しい出血症状を伴う結膜炎 である。
 
両ウイルスともヒトからヒトへ直接接触伝播する。
 
同じ病原性を持ったエンテロウイルスが時期を同 じくしてヒト社会に出現した理由は、今もって謎である
 
 AHCは1960年代の終わりに突如としてヒト社会で爆発的大流行を起こしたが、臨床的にはそれまで経験されなかった全く新しい型の結膜炎である。
 
その伝播の規模と速さはインフルエンザの それらに匹敵するものであった。
急性出血性結膜炎(国立感染症研究所ウイルス第二部 武田直和)
 
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手足口病  これも去年の8月前後が異常
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手足口病とは、口の中や、手足などに水疱性の発疹(2~5mm)が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症。こどもを中心に、主に夏季に流行。
 
感染症発生動向調査によると、例年、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めている。病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)で、その他、コクサッキーウイルスA6、A9、A10などが原因になることもある。
 
参考)手足口病 国立感染症研究所感染症情報センター)
 
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マイコプラズマ肺炎  去年の後半から激増
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マイコプラズマ肺炎とは、主に気道に感染。呼吸系に感染すると、上気道炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎になる。肺炎は、肺炎球菌による肺炎と違うため、「非定型肺炎」「異型肺炎」と呼ばれている。
 
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マイコプラズマ肺炎」流行、過去最悪の勢い  2012年10月17日
 高熱や激しいせきが続く「マイコプラズマ肺炎」が、県内で過去最悪の勢いで流行している。県が定点観測をしている5カ所の医療機関で1月から9月末までに確認された感染者は316人で、昨年1年間の患者数を既に100人上回った。流行のピークとなる冬を前に、県が予防の徹底を呼び掛けている。
 
 国立感染症研究所(東京都)によると、愛知県内の定点観測の医療機関で九月下旬の一週間に確認された感染者は平均四人。全国平均の一・一八人を大幅に上回り、栃木県(五・二九人)と群馬県(四・七五人)に次いで三番目に多かった。
 
 県保健医療課によると、症状の特徴は熱と頭痛、乾いたせき。熱が下がってもせきは数週間続く。中耳炎や髄膜炎を併発することもある。患者の大半は三十代以下で、十代が最も多い。ただ、天皇陛下が昨冬に罹患(りかん)されたように、大人も注意する必要がある。
 
 感染経路はだ液の飛沫(ひまつ)や体の接触。ワクチンはなく、手洗いやうがいといった一般的な予防が大切だ。
 
 岐阜大付属病院の村上啓雄副院長(感染症)は「乾いたせきが続いたらすぐに病院で受診すべきだ」と指摘する。
 
 年末年始はインフルエンザやノロウイルスも流行することから、「今年はマイコプラズマとの三重苦になる可能性がある。早めの予防を心掛けてほしい」と呼び掛けている。(中日新聞 多園尚樹)
 
                         
 
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Chlamydia pneumoniaeはヒトからヒトに経気道的に伝播し、肺炎,気管支炎,かぜ症候群などの呼吸器感染症をきたす。

抗体の保有率は小児期に上昇し、成人で約60%以上と高率。
しかしこの抗体には感染防御の機能がなく、抗体保有者に何度でも感染することがある。

この肺炎は市中肺炎の5~10%を占めるとされ、高齢者に多く見られ、家族内感染や集団小流行を起こす。
 
幼児に多く見られ、乾性咳嗽、発熱、嗄声を主訴とすることが多い。
膿性喀痰は見られない。
0~14 歳と65 歳以上に多く見られた。
 
アルツハイマー認知症患者の9割の脳から、 クラミジア・ニューモニエが分離されており、 アメリカの研究においてもアルツハイマー病との関連性も示唆されている。
 
脳内に潜伏感染した場合、年齢を経るにしたがって症状が現れる可能性があるので、急性期において確実に抗菌薬による除菌を行った方が良い。
 
参考)クラミジア肺炎国立感染症研究所ウイルス第一部 岸本寿男)
図1.クラミジア肺炎の感染経路と病態
 
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RSウイルス感染症 今秋、激増か! 注)肺炎を引き起こす
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乳幼児を中心に例年冬季に流行するRSウイルス感染症の報告が都内で急増しています。また、保育所等での複数感染事例や肺炎で入院する例も報告されています。

 RSウイルス感染症は、かぜに似た症状で多くの場合軽症で治まりますが、感染力は強く、1歳未満の乳児の場合や、先天性心疾患、慢性肺疾患などを持つ小児の場合は、重症化するおそれがあるため、早めの受診や感染予防にこころがけてください。

 また、保育所や幼稚園などにおいては、保護者や職員を含めた手指衛生の徹底や、咳などの症状がある場合は無理をさせないなど、感染を拡大させないための注意が必要です。
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RSウイルス感染症 過去最悪の流行  
NHK 10月16日 17時11分 
 
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乳幼児に肺炎などを引き起こす「RSウイルス感染症」の患者の数が、統計を取り始めた平成15年以降で最悪となり、大きな流行になっていることから、国立感染症研究所は手洗いなど対策の徹底を呼びかけています。
 
RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、かぜに似た症状の出る病気で、秋から冬にかけて主に乳幼児で流行し、初めての感染では肺炎や脳炎を引き起こして重症化することがあります。
 
                         
 
いかがでしたか?
何がどうなって次は何が起きるのか?
 
東京の街中を映し出すテレビの映像では、平穏なる光景。
甲状腺異常や肺炎になり自宅療養することが絆なのかも?