雪の札幌、年始と着任挨拶の開始

各地で降雪した先日の寒さが原因でしょうか。
先月21日以降、毎朝さえずっていたウグイス。

15日からピタリと止みました。
まさに『彼岸の小鳥殺し』ですね。

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前回のあらすじ)
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1987年1月5日
小雪の降る朝、札幌営業所着任。
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北海道神宮でお祓いを受けたときは青空。
午後から、全道会議を1時間。
以後「孫子の兵法」と「ランチェスター戦略」の講義。
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夜は宴会。
見所の有りそうな社員が二名。

私の履歴書・242

翌日からは年始兼着任挨拶回り。
アイスバーンを軽四で走って衝突した場合、命の保証は無いという。

本来、私が乗るべき会社の乗用車は、田原氏(元子会社常務)が手放さない。
更に、顧客の引継ぎ同行訪問を約束したのだが、約束した日には居ない。

そこで山川課長が用意した車が、トヨタ1800ccバン。
この車に問題が有った。

タイヤのスパイクが磨耗していて効き目が薄い。
それに乗用車ではなくバンであること。

バンはお尻が軽いから、スパイクの効果半減。
ましてや、後輪駆動。

枕木タイプのコンクリート製の四角い棒を二本後ろに積んでもらいましたね。
それでも、発進やブレーキの時、タイヤが空回転。

それに、それに、彼等の私への再々の耳打ち。
「神戸部長は死神。部長を横に乗せると、必ず大事故が起きる!」

部長を乗せた場合、過去、何度か大事故が発生しているという。
と言われても他に方法が無い。

已むなし。
棺桶車に死神を乗せ、挨拶回り。

行き先は、神戸部長に任せることにしたのだが。
「商業組合はどうしましょうか?」と聞いてくる。

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聞けば、この時点で、全道の商業組合は25箇所。
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三ヵ月後、統廃合で23箇所になるという。
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この23組合で、我社シュアー(占有率)が50%を超えているのが僅か3組合。
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その3組合とは、倶知安・留萌・北見
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全道人口550万人に対し、この三地域の人口はせいぜい合計20万人。

残る20組合530万人のエリアでのシュアー(占有率)は全て20%未満。

我社の顧客がいないに等しい壊滅的地域は、道北で、稚内・名寄(なよろ)・深川。
道東で、帯広・釧路・網走・紋別


先ずは近郊を片っ端から訪問。
LL社札幌支店・岩見沢・浦河営業所。S電機札幌営業所。

各商業組合の場合、私に対してどんな応対をするのか。
札幌・小樽・倶知安・苫小牧・室蘭・浦河の各組合事務所を訪問。

倶知安組合以外は全く無反応。
冷ややかなもの。


処で、岩見沢は流石に雪が深かったですね。
秋田の山奥や新潟県の長岡、北陸の山奥の雪の光景。

逆に、苫小牧から浦河の行程には、雪が無いのですが大変な道路。
雪の凹凸のわだちではなく、アスファルトのわだち。

その溝の深さは半端じゃない。
20cmは優にある。

ハンドルを取られるわ、車の腹は打つわで冷や冷やもの。
タイヤのスパイクでアスファルトを削るからこうなるのでした。

尚、トホホの「棺桶に死神」は、やはり間違いのない話でしたね。
歴史的必然のドカ~~ン!の話は後日。



会社で事務処理をしていますとおっさん達が次々とやって来ました。
私が在社している日を確認してやって来たのです。請求書持参で。

全員、北海の熊に見えましたね。雪焼けでしょうか。
請求書をとりあえず受け取り、本社池内室長宛郵送。


他方、札幌営業所の経理事務担当で仙台支店の松島課長がやって来ました。
翌朝の朝礼で全員を見てびっくり!

「仙台支店の社員のレベルは最悪と思っていたが、それを遙かに上回るひどさ!」
この時の彼のこの言葉は、その後、十年は繰り返されましたね。

2月になり着手したのが、女子事務員募集。
道新サービスと北海道アルバイト情報社に依頼しました。
山川課長の言うには、北海道では新聞の効果は薄いとのことでしたね。

募集内容は、『事務員一名、履歴書郵送、面談日後日指定』
5~6通来たら御(おん)の字と皆が言っていましたが。

掲載二日後に、5~6通が来てほっとしました。
処が、翌日からが毎日20通以上。

126通になった時に、以後来た履歴書は開封せずに、添え書きを付けて送り返しました。

この時は全部で179通だったそうです。
その後、ポツリポツリと来まして200通を超えたとの事。

北海道は、未だ不況でしたね。

参考)
北海道各市町村人口統計より
倶知安町(くっちゃん 1万5千人)
留萌市(るもい 2万5千人)
北見市(12万6千人)