伏見の「ばばたん」は坊主頭になりました
彼は地元京都の私大を卒業後、地元京都で就職。後、昭和48年京都では結構有名な自転車の千曲製作所(右京区西院五条)に転職。ところが十年後の昭和58年倒産。それで幹部候補生として入社してきたもの。
彼は、何か起きるたびに「ばばたんやァ~」の連発。それも大声で。
その連発の都度、近くの部署の連中も大笑い。
その連発の都度、近くの部署の連中も大笑い。
彼の異名は間も無く「ばばたん」となりました。
真面目な寺前課長は、彼を呼ぶのに名前を直ぐに思い出せず。
「ばばたん君、ちょっと来て!」
真面目な寺前課長は、彼を呼ぶのに名前を直ぐに思い出せず。
「ばばたん君、ちょっと来て!」
但し、一年生や二年生が彼を「ばばたん」と呼ぶと怒る!
「おんどれ、誰に向かってぬかしよる!」
ややこしい人間が一人迷い込んできた雰囲気でしたね。
「おんどれ、誰に向かってぬかしよる!」
ややこしい人間が一人迷い込んできた雰囲気でしたね。
★
注)「ばばたん」の意味
注)「ばばたん」の意味
『ばば』は漢字で書くと『糞』で「ウンコ」のこと。『たご』は漢字では『担桶』と書き、かつぐ桶(おけ)の事。すなわち、『ばばたご』は「肥え桶」を意味。『ばばたご』の『ご(桶)』を省略して『ばばたん』になった。
転じて、「臭くて忌み嫌うもの」→「嫌いな事・者」や「事がうまくいかない」場合に発する。
昨今、バイクに乗った警察官を『ババタン』というようですが、この呼称についての由来は、上記『ばばたん』からきているかも。
★
★
晩秋の事でしたね。
寺前課長のお誘いで、アフター5に課長と馬場主任に私の三人で近くの居酒屋に行きました。
寺前課長のお誘いで、アフター5に課長と馬場主任に私の三人で近くの居酒屋に行きました。
色々な話になりまして、看板の午前1時。寺前課長が高槻市の私の家に泊まる事になりましたものの、馬場主任が自分の家で飲みなおそうと言い張る。
出されたのは冷やのコップ酒。一杯のんで帰ろうとしますと馬場主任はからんできます。
「わしの家の酒が飲めんのかァー」
「わしの家の酒が飲めんのかァー」
「わしゃ眠たい。もう帰るからタクシーを呼んでよ、ばばたん!」
「ばばたんとは何事だァ~」
「ばばたんとは何事だァ~」
横に座っていた馬場主任は、突然怒り出す。
横に座っていた私は、逃げようがない。
横に座っていた私は、逃げようがない。
仰向けになっている私が見上げる所に奥さんが立っている。
怖い目付きで私を見下ろしている。
怖い目付きで私を見下ろしている。
止めに入ると思いきや「おとうさん、もっとやれ!やれ!」
私、驚愕でした。まさか!!!
私、驚愕でした。まさか!!!
「水無瀬係長が、ワシのことをばばたんと言うものですから」
「ばばたんと呼んで何が悪いか! ばばたんじゃないか! 会社でそんな言葉を使うこと自体、ばばたんじゃないか!」と寺前課長。
「えろう、すんません」
「ばばたんと呼んで何が悪いか! ばばたんじゃないか! 会社でそんな言葉を使うこと自体、ばばたんじゃないか!」と寺前課長。
「えろう、すんません」
翌朝、馬場主任は出社せず。
体調が悪いとかで有給休暇をとりました。二日酔いですね。
体調が悪いとかで有給休暇をとりました。二日酔いですね。
翌々朝、出社して皆がびっくり! 馬場主任は坊主頭。
フロアー全体が、クスクスの笑い。
フロアー全体が、クスクスの笑い。
「えろう、すんませんでした。反省の意味で頭の毛を刈りましたので堪忍しておくれやす」
そう言って、寺前課長と私の所に来て頭を深々と下げました。
そう言って、寺前課長と私の所に来て頭を深々と下げました。
その日のアフター5。馬場主任が我等に声をかけて来ました。
「すんません、今日は私が払いますから、居酒屋につきあってくれませんか」
「すんません、今日は私が払いますから、居酒屋につきあってくれませんか」
その宵、いつもの居酒屋の小上がりで大林主任も含めて我等四人は大笑い。
「ばばたん」の連発でした。無論、この夜は、まともな時間でお開きにしました。
「ばばたん」の連発でした。無論、この夜は、まともな時間でお開きにしました。
それにしても、他人の奥方は怖いですね! 怖いですね!
。