部下に、私の行動を見せて伝えるもの
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『やってみせ、いって聞かせて、させてみて、
. 褒めてやらねば人は動かじ』
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山本五十六 (元帥・海軍大将・連合艦隊司令長官)
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この「やってみせ」が、悩ましいところですね。
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それが、部下の一生に残る映像記憶ですからね。
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『やってみせ、いって聞かせて、させてみて、
. 褒めてやらねば人は動かじ』
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山本五十六 (元帥・海軍大将・連合艦隊司令長官)
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この「やってみせ」が、悩ましいところですね。
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それが、部下の一生に残る映像記憶ですからね。
同行を依頼されても、大半は契約が済んで
あるいは契約セレモニーとしての上司の私との挨拶訪問です。
あるいは契約セレモニーとしての上司の私との挨拶訪問です。
一年間で、私の力を必要とした営業は二件ですね。
その中の一つ。二年生になった笹山君の場合。
尚、このケースでは、自分の言った事しか思い出せませんけど。
尚、このケースでは、自分の言った事しか思い出せませんけど。
場所は南大阪。従業員7人の有限会社。
午後6時半にその冷菓問屋を訪問。
午後6時半にその冷菓問屋を訪問。
会社の出入り口で社長と会いまして、名刺交換をした時、私、言いました。
「社長、ひょっとして売上数字を落としているのではありませんか?」
「社長、ひょっとして売上数字を落としているのではありませんか?」
社長は、私の顔をじっと見てから
「どうぞ、奥に上って下さい」 と言って奥の座敷に案内してくれました。
「どうぞ、奥に上って下さい」 と言って奥の座敷に案内してくれました。
座敷テーブルで一通りの挨拶が終った後に私は白紙の契約書冊子をテーブルの右隅にドスンと置きました。
社長と笹山君は目を丸くしました。
社長と笹山君は目を丸くしました。
「アイス業界のマーケットサイズ(市場規模)は拡大しているはず。
そこで数字を落とすとは、通常では考えられないことですね」
そこで数字を落とすとは、通常では考えられないことですね」
自社が納入したアイスを消費者がストッカーのガラス扉を開けた時にとりやすいように一番上に持って来る。
他社が納入したアイスは、ストッカーの底に追いやる。
他社が納入したアイスは、ストッカーの底に追いやる。
ですから、一日に何度か訪問しないと自社の納入した商品は取れない底になる。
一種の消耗戦でした。
一種の消耗戦でした。
「この戦に勝つためには、夏場に増員しなければなりませんね。
増員しただけの収益がアップするでしょうか?」
増員しただけの収益がアップするでしょうか?」
「弱者の御社が戦う場所は、ニッチ(隙間)。つまり、今までアイスを販売していない所。
それと、藤三商会㈱が手を出せない所ですね」
「そのような店があるのですか?」
それと、藤三商会㈱が手を出せない所ですね」
「そのような店があるのですか?」
そう言って社長は奥様を呼びました。
奥様も同席となりました。
奥様も同席となりました。
と言うことは、新しい文化と言う事は、売れる物と売れる場所が違うと言う事ですね。
例えば包装されたソフトクリームやバニラ系は、冬季でも室内なら売れていくと言う事ではないでしょうか」
例えば包装されたソフトクリームやバニラ系は、冬季でも室内なら売れていくと言う事ではないでしょうか」
「屋内の場合の利点は、夏期に極端に売れるわけではないですが、冬でも売れます。それと納入価格が乱れませんから年間安定した利益が見込めます」
社長の指示により、奥様がライオンズクラブの会員名簿や奥様の同級生名簿も持ってきました。
社長と奥様は、お互いに「あそこはどうや? ここはどうや?」との検討が始まりました。
パチンコ・ゲーセン・レストラン・スポーツセンター、etc. (今では当たり前ですが)
パチンコ・ゲーセン・レストラン・スポーツセンター、etc. (今では当たり前ですが)
「社長、大分時間が経ちましたから、言い忘れない内に言っておきます。
一軒の小売店の一本のショーケースに、複数の問屋が相乗りするケースが増えていますね。
これに勝つには、ライバルのアイス問屋の配送ルートの把握ですね。
一軒の小売店の一本のショーケースに、複数の問屋が相乗りするケースが増えていますね。
これに勝つには、ライバルのアイス問屋の配送ルートの把握ですね。
全般的には、ライバルの配送した後に配送し、ストッカーの中の自社の分を顧客が取り易い最上段に並べ替える方法ですかね。
それとも、逆のルートでの配送と言う手もあります。
それとも、逆のルートでの配送と言う手もあります。
でも、全部の店で勝つことは大変な労力です。
ですから、何処の店で勝つか、何処の店で負けるかを決めておいたら良いと思います。
ですから、何処の店で勝つか、何処の店で負けるかを決めておいたら良いと思います。
勝つ対象の店では、どうしたらライバルの問屋が諦めるか。
従業員の皆さんと、このアイスの閑散期に検討してみたら面白い手が浮かぶかもしれませんよ」
従業員の皆さんと、このアイスの閑散期に検討してみたら面白い手が浮かぶかもしれませんよ」
そう言って、笹山君に目配せをし、引き揚げようとカバンを引き寄せた時です。
社長「ちょっと待って下さい」
そう言って社長は、奥の部屋に行ってから戻って来ました。
そう言って社長は、奥の部屋に行ってから戻って来ました。
「契約書に判を押しますから、その契約書を開いて下さい」
「社長、未だ、価格が決まっていませんよ」と笹山君。
「社長、未だ、価格が決まっていませんよ」と笹山君。
「価格は、そちらにお任せします」
そう言って社長は、白紙の契約書に社判と丸印を押しました。
そう言って社長は、白紙の契約書に社判と丸印を押しました。
笹山君は、それに7台840万円と記入しました。
おしまい
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