講演は、最初の数行が勝負
1983年と言いますと、今から26年前。
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この当時の私の講演の内容は、今の世では当然に聞こえますね。
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この頃、我社の他の部署では、POS(販売時点情報管理)とEOS(オンライン受発注システム)の開発に取り組んでいました。
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私は、彼等から、流通と小売業に関するノウハウを随分学ばせてもらいましたね。
聴衆は全国の管理職以上250名。
私の持ち時間は1時間40分から、僅か20分に短縮でしたね。
私の持ち時間は1時間40分から、僅か20分に短縮でしたね。
演壇のマイクを外して、左手に持ちました。
全体を見渡しますと、眠っている者はいない。
全体を見渡しますと、眠っている者はいない。
そりゃそうですね。もう二十分でこの全国会議は終わりですからね。
早く終れ!と願っている者の集団。
早く終れ!と願っている者の集団。
いよいよ午後7時10分。
原稿は無い。いつもの事。流れるままに。
原稿は無い。いつもの事。流れるままに。
勝負は最初の数行。
次に一分間。三分間。そして十分間。
次に一分間。三分間。そして十分間。
☆ ☆ ☆
只今、ご紹介に預かりました水無瀬よりです。役職は係長です。
時間も時間ですから、早速、本題に入らせていただきます。
時間も時間ですから、早速、本題に入らせていただきます。
さて、この会場の皆さんは全員管理職以上ですね。
皆さん! 果たして、この一年間、仕事をしたでしょうか。
自分は立派に責務を果たしているとご満足の方が多いでしょう。
皆さん! 果たして、この一年間、仕事をしたでしょうか。
自分は立派に責務を果たしているとご満足の方が多いでしょう。
昨年対比150%から200%の支所長の方にお尋ねします。
その実績は、何もあなたがいなくても、ひょっとして勝手に上った数字ではないですか?
その実績は、何もあなたがいなくても、ひょっとして勝手に上った数字ではないですか?
例えば、営業本部が新たにスーパーやコンビニチェーンを開発した場合、自動的に売上が増えますね。
つまり、あなたの存在の有無に拘らず、マーケットサイズは拡大しているのです。
売上は勝手に伸びているのです。
売上は勝手に伸びているのです。
我社では、これを管理職の給料泥棒と言います。
ひょっとして、小店(こみせ)は時代遅れだからと言って放置していませんか?
実は、この時代遅れの小店こそが御社のベースなのです。
実は、この時代遅れの小店こそが御社のベースなのです。
今から数年後に御社が一千億円企業となった場合の伸びた数字の大半は、これらスーパーとコンビニへの納入数字でしょう。
これは何を意味するかと申しますと、流通業界の従来のままでの存続は不可能というシグナルなのです。
自らの新しい流通システムを創設したコンビニチェーン本部にとりまして、従来の問屋は必要無いのです。
自らの新しい流通システムを創設したコンビニチェーン本部にとりまして、従来の問屋は必要無いのです。
換言すれば、御社は、チェーン本部の風の方向次第で、あるいはあなたの部下のたった一人のチョンボでの社会的信用の喪失により、一瞬の内に100億単位の数字を失うリスクを抱えたということなのです。
この事は、皆さんよくご理解済みで、何も私が改めてこの壇上から言う必要の無いことかもしれませんね。
この数字を把握していない管理職の皆様、そして、一般小売店の数を減らした支所長の皆様にお尋ねします。
或る日突然、大手スーパーやコンビニチェーンとの取引停止となった時、或いは、大手スーパーやコンビニチェーンの倒産により、不渡り手形を掴んだ時、御社の存続を支えてくれるのが、街の小さな一軒一軒の一般小売店だと言う事を認識していましたか?
繰り返します。
スーパーやコンビニの数字は、明日が分からぬ虚栄の数字。
スーパーやコンビニの数字は、明日が分からぬ虚栄の数字。
あなたは、街の小店(こみせ)が、あなたの企業、そしてあなたの家庭を最後に守ってくれる砦であるとの認識で仕事をしていましたか?
☆ ☆ ☆
私は壇上で絶叫。
そして演壇机を拳で一発! ドォッス~ン!
そして演壇机を拳で一発! ドォッス~ン!
会場は、当に水を打ったように、しぃ~~~~~ん!
全部で500個の見開いた目玉が一斉に私を見上げる。
全部で500個の見開いた目玉が一斉に私を見上げる。
つづく