顧客の事務所で、いびきをかいて熟睡でした

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写真は、1995年以降の私のダイアリーです。
開いているページは1995年1月です。
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これらのダイアリーは自宅の机の引き出しにあるのですが、
それ以前の分は、納戸のダンボールの中です。

尚、これを今見たからと言って、当時のことを直ぐに全て思い出せるかと言いましたら無理ですね。
この時の映像が脳に浮かばないと。
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時間をかければ、あるいは写真があれば思い出せるでしょう。
それも、印象深かったケースですが。

私の履歴書・190

1983年(昭和58年)

FF本部の新規顧客開発先に、アイスクリーム業界の他に受託給食業界が加わりました。
この業界の近畿地区では、私が直接受託給食会社を訪問しました。

その中でも、特異な企業訪問のケースを一つ。

大阪市内の「河内給食㈱」(仮称)でしたね。
この企業は、小さな職域弁当配達屋から起業し、積極的に工場給食の受託に参入していました。

電話で、面談のアポイトメントをとる相手が河内副社長。
予約した訪問面談時刻は、いつも午後八時。

でも、実際に副社長と面談するのが、午前0時前後。
だから、いつも夜中の事務所の椅子に座って四時間は待つのです。

事務所の一角には、透明なガラス一面で仕切られた部屋があります。
ここには、五人の警察官OBがいます。

当時の弁当屋業界や給食業界と言いますと、トップが板前上がりの方でしたね。
それに、簡単にこの弁当業界に参入出来ましたから、顧客をとったりとられたり。その都度、刃物沙汰。

特に、河内給食の河内副社長の顧客奪取の手法は強引との評判。
トラブル続発ですから、警官OBを五人も置いておく必要があったのです。

五度目の訪問の時でしたね。
いよいよ契約の日。

寺前課長に同行をお願いして、午後八時に先方の事務所に行きました。
相変わらず、午後八時と言っても、河内副社長は不在です。

いつものように、誰かの机の椅子に座って待ちます。
突然、寺前課長から体を揺り動かされました。

「水無瀬君、水無瀬君」
「 - - - - - - 」
「大きないびきをかいて眠っていたよ」
「そういえば、鼻が痛い」


河内副社長との最終交渉は、午前一時に始まり四十分で調印。
我社の開発商品、@350万円の12台で4200万円。

後日、納品の打ち合わせの時、先方の事務方にお詫びしました。
「先日は、皆さんの勤務中に居眠りをしてしまい、申し訳ありませんでした」

「水無瀬さん、あれは初めてじゃないですよ。毎回ですよ」
「 - - - - - - - - 」

「副社長が褒めていましたよ。『約束時間には遅れる事無く来社する。そして待ち時間を有効に活用している』と」

褒められているのか、皮肉を言われているのか分かりませんでしたね。
でも、競合三社をはじいて、ちゃんと契約してくれましたから、褒めてくれていたのでしょう。



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写真左)1983年初詣。場所は京都・平安神宮
写真右)同年、息子の幼稚園の運動会。中央で肩車をしているのが私。