「記憶に御座いません」は記憶を問われるもの

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「遠山の金さん」の最後の場面の登場人物は、悪徳代官に悪徳商人。
彼等の共通語は「全く身に覚えがありません」
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昨今は「記憶にございません」とかの言葉を耳にする時がありますが、
記憶にあるからこそ記憶に無いと言うのですから笑ってしまいます。
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昔も今も、同じですね。昭和ではロッキード事件小佐野賢治が連発。
最近では二階俊博・元経済産業相の西松建設の献金問題
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その内、「長妻の昭さん」のテレビドラマ・シリーズ物の期待ですね。


私の履歴書・189
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芥川女史が、或る日、我等の部署にやって来ました。(←芥川女史に関しての以前の記事はここをクリック)
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「寺前課長、あなたのこの出張報告書は変です。この時、どちらに行かれましたか?」
「何の話?」

「この報告書です」
「何と! 五年前の出張報告書じゃないか!」

「そうです。私が**役員に指示されまして五年前からの出張報告書をチェックしているのです」
「そんな馬鹿げた事を! 今更!」

「寺前課長!**役員が馬鹿げた指示を私にしたと仰るのですか?」
課長の怒り狂った目。 机の引き出しの奥を捜し、五年前のダイアリーを取り出しました。


「オ~、良かった! 捨てないで置いて」
「それでは、三年前のも出してくれますか?」
課長は、該当する二ヶ所の月日の記録を読み上げました。

「ここに訪問してから次の訪問までの空き時間は何をしていたのですか?」
「そんなこと、分かるか!」

「それでは私の任務を果たせません」
「この時は、多分、同行した営業所の営業員と喫茶店で打合せだよ」

「間違いありませんね」
「同行した営業員に聞けよ。本当か嘘か」

びっくり仰天でしたね。五年前の出張を問われるとは。
その後、芥川女史は、寺前課長の許に二度来ました。

いつも大きな声を張り上げて。
特に威圧的な女史の声は周囲にビンビン響く。

女史は寺前課長に限らず、他の課長にも声を張り上げていました。
それは、必ず青葉部長が在席の時を見計らって。

青葉部長に意識的に聞こえるように。
芥川女史は、やがて、青葉部長にも迫って行きましたね。

青葉部長の空出張の噂を耳にしたことがありますが、
それにしても、恐ろしい事態になりました。

注)空出張 ー 出張していないのに出張したことにして旅費交通費・宿泊費等をせしめること。


それからですね。私、自分のダイアリーに、事後、事細かく加筆するようになったのは。
それに、過去の記録を何度も読み返すようになったのは。



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余談)

日経ビジネスに面白い記事が有りましたので一部を掲載します。
全文は、下記標題をクリックしましたら、開きます。


  伝説の男を窓際に追いやった、男の嫉妬。自分よりも有能だと思う部下をつぶす上司や同僚たち。こういう嫉妬劇は、何も今始まったことではない。

 例えば源頼朝義経への仕打ちなんて(いきなり日本史ですが)、誰もが知る過去最大の「男の嫉妬」劇。源平合戦の最大の功労者である義経を、「勝手に判官の地位を得たから」などと “いいがかり”をつけて追いやったのは、嫉妬以外の何物でもない。

 異母兄弟で、もともと「自分の方が上」と思っていただけに、頼朝の自尊心が傷つけられた。自分の方が上であることを誇示したいだけで、相手の足を引っ張った典型だと言えるだろう。  


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「曾孫に伝える私の履歴書」 目次 30歳代編(1)
https://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/folder/1495255.html