所帯持ちの男の嫉妬心の行く末は?
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しかし、人と人との出会いとは見方を変えれば怖いものですね。
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一つの出会いがあり、その出会いが次の新たな出会いを呼ぶ。
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最初の出会いが無かったら、出会った二人には全く別の運命が待っているのですからね。
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しかし、人と人との出会いとは見方を変えれば怖いものですね。
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一つの出会いがあり、その出会いが次の新たな出会いを呼ぶ。
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最初の出会いが無かったら、出会った二人には全く別の運命が待っているのですからね。
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私の履歴書・134 |
年が明けて二月下旬、金魚の平間運呼君が満天の笑みを浮かべて私の席にやって来た。
「水無瀬よ!ビッグニュース!ビッグニュース!内緒話や!」
「おまえの内緒話って、どうせ碌(ろく)な事がないからな」
「おまえの内緒話って、どうせ碌(ろく)な事がないからな」
「今度は違う!」と紅潮しながら私の耳に手を当ててひそひそ。
「会計の木下が、どうやら嫁さんに離婚を申し出たらしいよ」
「何でまた?」
「何でまた?」
「いい女が出来たらしい!」
「あの若ツルッパが? 相手はどんな奴ちゃ?」
「あの若ツルッパが? 相手はどんな奴ちゃ?」
「おまえも知っているよ」
「知っていると言えば、この階の踏まれた饅頭(まんじゅう)かいな?」
「知っていると言えば、この階の踏まれた饅頭(まんじゅう)かいな?」
「レベルが違う! レベルが違う!!」
「レベルが違うって、そんなハイレベルは知らないよ」
「レベルが違うって、そんなハイレベルは知らないよ」
「洋子だよ!」
「はぁ~~~?? しかし、木下には子供が一人に嫁さん妊娠中だよ」
「はぁ~~~?? しかし、木下には子供が一人に嫁さん妊娠中だよ」
「だから大騒ぎになっているらしい」
「その情報は何処から?」
「その情報は何処から?」
「青葉支店長からだよ」
「流石!金魚の運呼! しかし、シャベリの支店長はどうして知ったのかい?」
「流石!金魚の運呼! しかし、シャベリの支店長はどうして知ったのかい?」
「木下の仲人をした菅野工場長(仮称)に嫁さんが泣きついたらしい。そこで工場長は、支店長に木下の監視と説得を頼んだと言うことだ」
「そう言えば、この間、本社の会議に行くのに木下は東京から東名神を車で行ったという話だぜ」
「そう言えば、この間、本社の会議に行くのに木下は東京から東名神を車で行ったという話だぜ」
「その車に洋子を乗せて行ったのだよ」
「洋子が風邪をこじらしたと言って休んでいた時だな」
「洋子が風邪をこじらしたと言って休んでいた時だな」
「それにしても誰にも悟(さと)られず出来たものだな」
「木下は内密が好きだからね。嫁はんを口説いた時と同じ手を使ったな」
「木下は内密が好きだからね。嫁はんを口説いた時と同じ手を使ったな」
「どんな手?」
「木下の自慢は、向かい同士の机の嫁さんと目が合った時に、ちょっと目を外してから再度見つめる。じぃ~っと。これを何度か繰り返してから、机の下から足を伸ばして嫁さんの足をコンコン。嫁さんもコンコンでハピーエンド!」
「木下の自慢は、向かい同士の机の嫁さんと目が合った時に、ちょっと目を外してから再度見つめる。じぃ~っと。これを何度か繰り返してから、机の下から足を伸ばして嫁さんの足をコンコン。嫁さんもコンコンでハピーエンド!」
「でも、目を再度見るのは分かるが、今回は机がはす向いだよ」
「消しゴムをわざと落として、机の脚の間から足を伸ばしたのかも」
「消しゴムをわざと落として、机の脚の間から足を伸ばしたのかも」
「それじゃ、木下の身体が度々机にめり込んでいたのだな。アハハ!」
「平間よ!それにしても君の奥さんは気が付かなかったのかい?」
「平間よ!それにしても君の奥さんは気が付かなかったのかい?」
「全く気が付かなかったそうだ」
「成る程!木下は洋子が来た早々わしに小馬鹿にされて、嫉妬心と言おうか、闘争心が燃え上がったのか!」
「成る程!木下は洋子が来た早々わしに小馬鹿にされて、嫉妬心と言おうか、闘争心が燃え上がったのか!」
つづく