発汗で湯船となった布団

私の履歴書・55
前回のあらすじ  再受験本番一週間前、隣室の大学生が睡眠自殺を図る。

イメージ 1. 《連日発熱40度》
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翌朝、何となく身体がだるい。
机に向かう。
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集中出来ない。
それまでの緊張が解けたせいかも。
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夕方、近くの銭湯に行き、学生食堂で夕食。
いつもより一品多くおかずをとる。

その夜、寝汗で眼が覚める。
風邪をひいてしまったらしい。
前夜の夜風が原因か。

着替える。
朝方、目覚める。38度。


昼に風邪薬を買いに出る。
いつもの果物屋で、大きなポンカンを買う。
一パック四個。ビタミンC。私にはもったいない出費。


夜中、またまた寝汗。
じっと汗が出尽くすまで動かず。

薬の効果無し。40度を超える。
昼にアスピリンを買いに行く。


その夜も、激しい発汗。
うとうと眠れたと思ったら、汗で目覚める。
この繰り返し。


また夜がやって来る。再度40度。
敷布団・掛け布団は連日の発汗でドボドボ。
敷布団を取り除き、スポンジのクッションもずぶ濡れ。

薄い夏用掛け布団もドボドボ。
夏物半袖下着もドボドボ。

下着代わりのワイシャツも一瞬でドボドボ。
乾かない。もう、交換するものは無い。


昼、下宿のおばさんが一杯のおじやを持って来る。
前日から何も食べていなかった。



いよいよ明日は本番。
出かける。
何とか、夕食をとらないと。



帰宅後、電気ストーブに下着をかける。
明日、着て行く下着。乾かさなければ。
アスピリンを倍飲む。

その夜、電気ストーブが気になり眠れず。
寝汗をかくも、布団の中でじっと赤い光を見守るだけ。


生ぬるい湯船の中。
うとうと眠ったと思ったら目覚まし。
遂に、その日。その朝。外は未だ暗い。



                          続く