雪に舞い降りてきた雛人形の折鶴

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「もみじ葉の雪にかざす折り鶴を 櫛笥に入れて東風を待つかも」

  (もみじばの ゆきにかざす おりづるを くしげにいれて こちをまつかも)



二月十日午後の京都西山・楊谷寺奥の院の正面の雪です。未踏の新雪なのですよ。
この雪を踏んだらいけないと思い、引き返そうとした時、日陰に黒く輝くものがありました。

それは、舞い降りた番(つがい)の鶴の喜びの姿でした。
二枚のもみじ葉の演出でした。


この私の歌の解釈①は、

雪の上に飾ったように舞い落ちたもみじは、折り紙の鶴のようです。
そのもみじを、櫛笥(くしげ)に入れて持ち帰り、春風を待つのでしょうね。

      櫛笥(くしげ)→櫛などの化粧道具を入れておく箱



もう一つの解釈②は、

江戸時代、百十二代東山天皇の皇妃新崇賢門院(四条の局)様がたびたび皇子を出産されましたが、それぞれ不幸にも幼くなくされていましたので、当山ご本尊に無事出産できますように祈願されました。

この皇妃新崇賢門院様の本名は『櫛笥 賀子(くしげ よしこ)』なのです。
尚、東風とは、ここでは、東山天皇のことです。

皇妃新崇賢門院様には、ひょっとして、ここでの安産祈願の時に、このようなもみじ葉のような慶びの鶴が舞い降りてきたでしょうね。

それを皇妃新崇賢門院(櫛笥 賀子)様は持ち帰り、東山天皇にお見せしたでしょう。

そして無事出産されましたのが百十三代の中御門天皇です。ごりやくがあったのですね。