赤いオーロラを観る
私が五歳の時の事です。(昭和25年 1950年)
北北西の方向を見ますと、空一面が夕焼けのように赤く染まっています。(写真のように)
「秋田の親戚の家は、大丈夫やろか?」と暗闇の中、母のか細い声。
学校の下の道を、カンカンカンと鐘を鳴らして、消防車が何台か走り抜けて行きました。
「秋田の親戚の家は、大丈夫やろか?」と暗闇の中、母のか細い声。
学校の下の道を、カンカンカンと鐘を鳴らして、消防車が何台か走り抜けて行きました。
村の消防の人が来て言いました。「オーロラ」
行けども行けども、火災現場に近づけず。海の向こうのロシアか朝鮮が大火だと一時思ったそうです。
行けども行けども、火災現場に近づけず。海の向こうのロシアか朝鮮が大火だと一時思ったそうです。
何年か前に(2003年?)偶々オーロラ研究所やオーロラ研究者の記事を見ましたら、日本では北海道だけで東北では絶対に見られないと書かれていました。
そこで、この研究者達に、秋田で赤いオーロラが見えた事を何度かメールしましたが回答はありませんでした。プライドを傷つけたのでしょうね。
でも、最近のオーロラに関する研究記事には、東北地方でも赤いオーロラが見えることもあると書かれていますから、メールは無駄ではなかったようです。
〈密造どぶろくの味〉
畳を剥いで、更に床板を開けると土中にかめが埋められており、その中は、芳香漂うどぶろくです。
かめの丈は当時の私の背丈ほど。時間が経ち過ぎたり暖かくなると酸っぱくなります。
いつも通り、客を見送りに皆が出た時に、囲炉裏に掛けてある鉄鍋に入っている白い液体!
この温かいどぶろくを、こっそりと、おたまで嗜むのが私の喜び!然も酔わないのです。
今日のどぶろくは、美味い!不味い!と私の口は、三歳にして杜氏(とうじ)並み!
無論、密造酒となる訳で、見つかったら捕まるのですが、この山奥では他人事。
尚、この床下の陶器のかめは、前任者からの丸秘引継ぎ事項の一つだったとの由。
かめの丈は当時の私の背丈ほど。時間が経ち過ぎたり暖かくなると酸っぱくなります。
この温かいどぶろくを、こっそりと、おたまで嗜むのが私の喜び!然も酔わないのです。
無論、密造酒となる訳で、見つかったら捕まるのですが、この山奥では他人事。
続く