四歳で女教師に初恋


〈四歳の初恋?〉私は、四歳にして初恋をしました。相手は、若き女性教師です。
毎日の遊び場は村の分校の校庭。先生の授業をガラス窓の外から見ていました。

或る日の休日、私は先生の教室に入り、遂に、教壇の先生の机から、柄は細かな英文字模様だらけの
黄色っぽい茶色のブリキ製のクレヨン12色用・空のコンパクトを盗ったのです。

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(画像)今の『STOCKMAR(シュトックマー)』のコンパクト缶入りクレヨン

何しろ、好きで、恋しくてたまらなかったから、先生の持ち物が欲しかったのです。
母に、その箱、どうしたの?と聞かれるも、「○○シェンシェ(先生)に貰った」と平然と答えました。
恋の力って、すごいですね。

又、ある時は、廊下を歩いている先生を後ろから抱きつきました。「かあさん!」と言ってね。
「うわ~、かあさんと間違った!」と先生は、笑顔で撫でてくれました。

見間違う筈は無いのです。お尻の大きさと形が全く違います。
でも、こうでしか、恋する先生のあの若々しい肉体と香りに触れる事が出来ないからです。

何かの行事の時の夜、飲み会があり、かの先生も、我が家にやって来ました。
母が、かの先生に「エエ(良い)物、先生からもらって」と言っているのを耳にし、こりゃ不味い。

だけど、どうして良いか分からない! 知らんぷりして、先生に酒を注ぎました。
無論、皆さんお帰りの後の一瞬の空白時間は、私の、どぶろく飲酒タイム。盗み酒の美味い事!



〈火事場のバカ力〉

夜中に叩き起こされました。
近くで火事です。

火の粉が飛んできます。
当時の民家の屋根は藁(わら)ぶきで、燃えかかった藁が飛んでくるのです。
父と村人は屋根に上がり、屋根にバケツで水をまきました。

類焼する恐れがあるとのことで、家具類を裏山に運ぶのです。
私は四段くらいのタンスの片方を、母がもう一方の片方を持ち、必死で運びました。

何時間後かに鎮火し、夜が明けました。
さて、裏山に運んだタンスを家の中に戻そうとしたのですが・・・。
夜中に運べたタンスなのですが、どうしても持ち上がらない・・・。


それから55年後、現地を訪れて見ると、記憶にあった傾斜の急な裏山は、単なる緩やかな丘でした。


   ☆   ☆   ☆


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(滝小学校の跡地にて 03.10.24撮影 55年振りの訪問。
              右から、姉・妻・次兄・長兄)

08.02.23追記)

昨年12月、法事で姉と会った時に、この若き先生の事を聞きました。
滝温泉のお嬢さん(長女)でお名前は、「東海林あや子」さんとの事です。
今は80歳をちょっと超えたくらいでしょうね。
 
この滝の時代に、私の遊んだ女の子の名前も「あやこ」さんだそうです。