福一から飛散:主な放射性核種


先ずは復習から

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政府はセシウムだけを取り上げて、他の核種に関しては、いかにも皆無のような素振りを貫いている。セシウムはほんの一部に過ぎない。

他方、関東・北関東・上信越圏の市民は、3.11で山野に降り注いだ放射能が地中に浸透し、やがては樹木の根が放射能を吸収し、放射性花粉として街中に降り注いでいることを忘れてはならない。この状態は欧州の例が示すように約100年は続く(註1)。

下記の地図は、野生イノシシの肉の地域ごと放射能濃度を示した2017年のグラフであり、山野の濃度の指標でもある。特に北関東・上信越では、どちらから風が吹いても、放射性花粉が降り注ぐ。


(AERAの2011/6/27日号より)
福島第一原発から飛散した主な放射性核種と被爆症状
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(以下は上記表の赤線を引いた箇所の一部抜粋)

キューリウム242
半減期はそれほど長くはないが 半減期 162.5日,α壊変で放射性のプルトニウム 238になるため危険。骨ガン、白血病の原因。※最凶の核種。摂取すると、最大の体内被曝を受ける。(註2)

α線β線に比べて同じ吸収線量でも人体に20倍の影響を与えるとされている。更にプルトニウムは同じくα線を出すウランに比べても1グラム当たりの放射線が数万~数千倍。放射性毒性が極めて高い。

 然し吸入摂取された場合は、長期間身体にとどまり、その後、粒子がリンパ腺や血管に移行し、最終的には骨や肝臓などに数十年間沈着するため、肺がんや骨ガン、白血病などの要因となる。

チェルノブイリ原発事故の影響で事故当時18歳未満だった約6000人に甲状腺がんが発生したとされている。

25%は骨に移行し大半は生涯そこに残留し、骨ガン、白血病の要因となる。

主に骨と肝臓に沈着し、それ以外は全身の器官や組織に均等に分布する。

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(以下は上記表の赤線を引いた箇所の一部抜粋)

化学的性質がカルシウムと似ているため、体内に取り込まれると骨に沈着し、骨ガンや白血病の要因となる。ストロンチウムはβ崩壊してイットリウム90となり、すい臓に蓄積し、すい臓がんの要因となる。

骨ガン、白血病の要因に。

骨ガン、肝臓がん、腎臓がん、白血病などの要因に。大半は肝臓に沈着する。

胃腸でほぼ100%吸収される。化学的性質がカリウムと似ているため、全身の筋肉や生殖腺に蓄積し、がんや遺伝子変異の要因となる。筋肉量の少ない女性は、乳腺や子宮に蓄積されやすく、乳がんや子宮がんのリスクとなる。

ネブツニウム
半減期は短いがβ崩壊して、半減期約2万4千年のプルトニウム239になる。

(註1)
チェルノブイリでの欧州に学ぶ』 2018/7/17(火) 

『消えぬドイツの森林放射能汚染』 2018/8/1(水)

(註2)
土壌からキュリウム検出 福島第一から2~3キロ地点
朝日新聞 2011年6月14日
 文部科学省は13日、福島第一原発から2~3キロの大熊町夫沢の土壌から、ごく微量の放射性物質キュリウム242(半減期163日)とアメリシウム241(同432年)が検出されたと発表した。(以後省略)

日本の原子力発電所で重大事故が起きる可能性に
MOX燃料の使用が与える影響
エドウィン・S・ライマン (PhD) 核管理研究所(NCI)科学部長 1999年10月