放射能リスクは終わっていない


私の先日の記事の続編です。
米国:奇異な『サウジ9月11日法案』成立

今回の記事は、私が書いたものではありませんが、3・11から5年半も経つと、リスク本番はこれからなのに、ついついリスクを忘れがちになるので掲載しました。

尚、東大名誉教授村上周三先生の化学物質肺吸収説は以前のブログの後半で述べています。こちらも併せてご覧に下されば仕合せです。

『ガン細胞や放射能を食べる乳酸菌』 2013/3/3(日) 

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さて本番
尚、青文字の(註)欄は私が加筆したものです。


飲食と呼吸 どちらからの内部被ばくが深刻なのか

2016 年 9 月 23 日

たぶんみなさんも疑問に思ったことがあると思うが、飲食と呼吸のどちらからの内部被ばくがより深刻なのだろうか。

よく引用されるのは、人間は環境化学物質の83%を空気(肺)から取り込むという
村上周三・東京大学名誉教授の主張である。

「『人間は環境化学物質の83%を空気(肺)から取り込み、食品からは7%、飲料からは8%に過ぎない』

『我々は空気環境に もっと神経質になるべきである。我々は濁った水を飲むことには強い拒否反応を示すが、濁った空気を吸引することには それほど強い拒否反応を示さない。清浄な水を確保することが人間生活にとって不可欠であるように、清浄な空気を確保することも人間としての基本的な要求である』
(住まいと人体、工学的視点から 臨床環境医学 第9巻第2号、pp.49-62)」
 
シャワーによって吸引し被ばくするという報告もある[2]。

ピッツバーグ大学の水質科学の教授は、「シャワーやお風呂を通して、被爆する化学物質の量は、水道水を飲むより6~100倍多い、研究所内に実験のシャ ワールームを設置し、15分間シャワーを出し検査した結果、呼吸によって吸収される揮発性汚染物質の量は、1㍑の水道水を飲んだときに摂取される量と同じ であった。」と言われています。シャワーを浴びる事による化学物質はお風呂よりも多い。

なぜなら、シャワーヘッドで細かく水滴にされる事で水の表面積がより広くなるからである。サイエンスニューズ130号 ジャネット・ラルフ 」

一方、チェルノブイリ事故の汚染・被ばく調査と救済に活躍したV・ネステレンコ教授は、内部被ばくの大半は食べ物によると言っている。

「しかし今日、自然放射能を除外し、チェルノブイリによる放射能汚染だけを考えるとき、人体の受ける被ばく量の70-80%、場合によっては90%が食物を原因としているのです。だからこそ私は食べ物と内部被ばくとに最も注意を払っているのです。」

どちらが正しいのかよくわからないが、汚染環境によって大きく変わるのではないだろうか。

現在、関東・東北はもとより、空気の放射能汚染がほとんどない北海道や関西まで健康被害が拡がっているが、これは事故前の数百から数千倍も汚染された食べ物が全国に流通していることが原因であることは確実である。(註1)(註2)(註3)(註4)

(註1)2011年3月11日福一が爆破された春以降、福島産や栃木産の腐葉土が全国的に直接、或いは農協やホームセンター経由で販売された。全国の野菜生産地と称する農家では、トン(t)買いをし、京都は無論のこと、沖縄でも2万ベクレル以上もの高濃度の放射能に汚染された腐葉土が畑に撒かれた。その畑で育てられた野菜を、地元のみならず全国の消費者が食べた。

(註2)南東北や北関東の高濃度に汚染された野菜を、仲買人や食べて応援と称するスーパーなどは一束10円で買い叩き、全国の学校給食、外食産業や一般消費者に通常値近くで販売し、大儲けした。

(註3)関西の業者は、汚染された牛一頭につき5万円で買い叩き、頃合いを見計らって通常価格近くで販売したと言われている。

(註4)東京都や大阪市を始めとする挙手した都市では、放射能を餌として繁茂する藍藻(らんそう、シアノバクテリア)付きがれきを放射能の除去能力のないゴミ焼却炉で焼き、住民にたっぷりと放射能付き黒い煤塵(ばいじん)を振りかけた。その煤塵濃度は例えば江戸川区では24万ベクレルもあった。

飲食による放射性物質の摂取が極めて深刻な影響を与えることは明らかだ。
しかし吸引による被ばくの影響が少ないとは言えない。

チェルノブイリ事故後、ベラルーシウクライナでは、ホコリをかぶりやすいトラクターの運転手が次々と若くして病死している。

また日本でもサッカーや野球など屋外スポーツの選手や野外労働者に故障や病気が多い。おそらく放射性の塵を多く吸い込むからだろう。(註5)(註6)

(註5)昔から一般人に比べ、スポーツ選手は短命。
(註6)放射能とは関係なく、粒子状の塵を吸うとDNAが損傷する。

オートラジオグラフィにより可視化したマスクやエア・フィルターを見ると、驚愕するほど放射性微粒子が付着している。これらを吸い込んでも健康を害さないと考えるほうがおかしい。

結局、飲食も呼吸も気をつけなければいけないということだろう。飲食であれ呼吸であれ、いったん放射性微粒子が体内に取り込まれてしまえば危険は同じだ。

汚染の疑いのある食品は食べない。
マスクする。
汚染のひどい地域からは移住する。

どうか細心の注意を払って、内部被ばくをできるだけ避け、自分と家族の健康を守っていただきたい。(註7)(註8)

(註7)健康を守る為の作為・不作為を一時的なものではなく、要は、朝起きて顔を洗うが如く、いかに習慣化するかである。

(註8)東日本ではまだまだ山菜やきのこは100ベクレル以上のところもある。これは樹木の花粉が100ベクレル以上であることを意味す。
故に、粉塵に限らず、花粉も家の中に入れないようにするし、入った粉塵や花粉は速やかに除去する必要がある。

習慣とするのは、例えば、先ずは玄関に入る前に、頭や帽子、それに上着の肩などは手で払うこと。玄関前は水道ホースで埃(ほこり)を流しておくこと。

室内のフローリングの掃除には掃除機を使わないで『クイックワイパー』を使うこと。
この場合、コストダウンのためには、キッチンペーパーを代用。
『かんたんマイペット』などを超薄めた水を予め床に軽く霧吹いてから拭き掃除をした方がよい。

誰でも今春以降の花粉には要注意! 2012/2/15(水)