日本海の夕陽と鶴岡の少女


8月11日(木)18:31発、JR羽越線・酒田行に村上駅から乗車。
日本海に落ちる夕陽のコースである。

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もう村上駅そばの松林から垣間見る西の空は赤味を帯びている。
発車から4分後の午後6時35分頃から、いよいよ夕陽が始まった。

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車内は、騒がしくなった。乗客は30人前後だが、その凡そ半数がこの日本海に没する夕陽を目指しての乗客だ。

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そしてその大半がカメラを持つ元気な高齢の爺婆だ。
いいアングルを求めて移動したり、座席で立ち上がったりで忙しい。

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少女は、最初、夕陽をチラリと眺めたが、直ぐにスマホに目を落とす。

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夕陽の落ちるのは早い。始まりから落ちるまでの20分間のうち、木々や民家やトンネルで、その都度夕陽が遮られ、シャッターチャンスは瞬時瞬時しかない。

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佐渡に沈む夕陽を過ぎると、外は暗闇に覆われる。
午後7時過ぎ、遠く漁火が輝く。
その漁火が見えなくなってからの7時16分、少女は勝木駅で下車した。

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少女が下車してから横の海側の四人掛け座席は空となった.
それから三つ目か四つ目の駅で新たに別の少女が乗車し、真横の海側のその席に座った。

午後8時前、ドスンと小さな音がした。
その少女が私を見た。無言で「大丈夫?」

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※この画像は中国のAK98グループのメンバーの一人。
その少女が、ちょっとお化粧をしただけで、このような感じになるでしょう。

私は自分の顔を指さした。無言で「僕のこと?」
少女は微かに顔をかしげた。無言で「違うの?」
私は右手の平を数度横に振った。無言で「私じゃない」
更に私は、前の座席を指さした。無言で「音の発祥は前の人」
少女は微笑みながらうなずいた。無言で「よかった、あなたではなくて」

幾つかの駅を過ぎ、やがて車内に鶴岡駅に到着するとのアナウンスが流れると、少女は通路に出て私の座席の横に立った。

私 「中学生?」
ちょっと日焼けし、きちんと整った細面の少女。
全く化粧気なしだから、中学生と思ってしまった。

少女 「高校生です。」

私は、理知的なその少女に何かを伝えたいと思った。
一瞬、間をおいて口から出た言葉はありきたりのものだった。

私 「あなたの未来は、あなたが今望む以上の未来にはなりません。輝かしい未来を夢見て下さい。」

少女 「有難うございます。そのようにいたします。」
やがて電車は鶴岡駅に到着し、ドアが開いて少女は下車した。

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白髪の老人を気遣うこの素敵な少女を育てた親御さんってどんな方でしょう。
私はイメージ上の親御さんへの感謝の気持ちでいっぱいだった。