毛沢東と日本軍との関係


先日、受験生が来た時に彼の選択科目日本史で色々聞いてみたのですが、どんな教科書を使っているのかは知らないけど、やはり近代史・現代史は学校では教えてないのに等しいですね。

戦後のGHQの指示が依然と今も継続されているということですね。米国や中国にとって、そして戦前から今日までの日本の政治家にとって、日本国民に近代史・現代史を知られると不都合ですからね。

今回は、私が先日書いた記事への補足です。

(先日の記事)
オバマは出生の時、大統領に決まっていた  2016/2/22(月)

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(その前に、過去の私の記事)
日本の天皇中国共産党政府との関係 2015/5/25(月)

毛沢東トウ小平から習近平までの中国歴代最高指導者はみな天皇を大事にしている。

中国側の外交記録などによれば、中国建国の父、毛沢東が1950年代から1970年代にかけて、訪中した多くの日本人と会談したが、別れ際に「天皇陛下によろしくお伝え下さい」とよく口にしていた。

1956年に訪中した遠藤三郎元陸軍中将との会談で「私たちは日本の天皇制を尊重している」と言明した。

また、1972年に日中国交回復の交渉のために訪中した田中角栄首相と会談した際も、毛から天皇の話題を切り出し、「唐の時代の高宗皇帝も『天皇』の称号を用いた」などと語り、天皇への関心の高さを示した。

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さて、本題

中国共産党に「歴史認識」を問う資格はない! 日本軍に感謝していた毛沢東 ディリー新聞



今年の9月3日、中国は「中国人民抗日戦争勝利と世界反ファシズム戦争勝利70周年」なる記念行事を行なった。

演壇にプーチン大統領や「戦争犯罪人」のバシル・スーダン大統領などを並べて「反ファシズムの軍事パレード」とは悪い冗談だが、「反日」を外交の道具にする習近平政権の意図はよく分かる。

翌10月には南京事件ユネスコの世界記憶遺産に登録させたのも、こうした中国外交の「成果」だろう。

習近平政権は一貫して「歴史認識」を対日外交のカードに使い、日本にも「正しい歴史認識」を求め続けている。

しかし、そもそも中国共産党に「正しい歴史認識」なるものを求める資格があるのだろうか。

新潮新書毛沢東 日本軍と共謀した男』(遠藤誉著)を一読すれば、共産党が善玉で「ファシズム日本」が悪玉だとする中共歴史観は木っ端みじんに砕かれるだろう。

むしろ、中国共産党が天下を取れたのは、他ならぬ「ファシズム日本」と協力したからである、という事実が明確に浮かび上がってくるのだ。

■日本軍に情報を売っていた毛沢東
「日本軍の進攻に感謝する」──。こう明確に言い切った中国人がいる。他でもない、「建国の父」毛沢東だ。これは1956年9月4日、訪中した元日本軍中将、遠藤三郎に対して毛沢東が言った言葉だ。

日中戦争の時期、毛沢東は「国共合作」で得た国民党の情報を日本に売り、巨額の情報提供料を得ていた。それどころか、潘漢年(はんかんねん)というスパイを通じ、日本軍に停戦を申し入れてもいる。

毛沢東の基本戦略は、日本軍との戦いは蒋介石の国民党軍に任せ、温存していた力を日本軍が去った後の「国民党潰し」に使い、自分が「皇帝」になることにあったからだ。いわば、「建国の父」が自ら、人民を売っていたのである。

毛沢東は戦後も一貫して、日本の軍人と協力しようとしていた。

日本の敗戦後に4年間続いた国共内戦は、共産党の勝利に終わる。中国共産党は49年に中華人民共和国の建国を宣言した。

とはいえ、中華人民共和国が国連に加盟するのは71年なので、それまでは「国際的に承認された中国」は中華民国(台湾)のままだった。だから、中国人の意識の中では戦後も「国共内戦」は続いていたのだ。

 当時は中共も台湾も「日本軍人の力を使って」相手を潰すことを考えており、日本の軍人は中台が奪い合う対象だったのだ。

毛沢東は、日本の支那派遣軍総司令官だった岡村寧次大将を中国に招きたかったが、戦後に蒋介石と太いパイプを築いた岡村は「白団(パイダン)」という元日本軍人による軍事顧問団をつくって台湾を支援していたため、代わりに招聘したのが遠藤中将だった。

毛沢東の「日本軍に感謝する」発言が、他ならぬ元日本軍人に対してなされたのには、そういう背景があった。

ちなみに毛沢東は、日本軍の「侵略」という言い方は、一貫して使っていない。使っていないが、日本人の側が贖罪意識から、毛沢東の使う「進攻」という表現を「侵攻」「侵略」と言い換えている例は多々ある。

 『毛沢東』によると、徹底したリアリストだった毛沢東は、彼に会いに来る日本人がみな左翼で、誰もが判で押したように「謝罪」ばかり口にすることにうんざりしていたという。

それもそのはずだ。彼が欲しかったのは「左翼の謝罪」ではなく、「元日本軍人の協力」だったのだから。


日本軍と共謀した男 (新潮新書) 新書  2015/11/13 遠藤 誉 (著)

内容紹介
驚愕! 人民を裏切っていたのは、「建国の父」その人だった。

 「私は皇軍に感謝している」──。日中戦争の時期、実は毛沢東は国民党の情報を日本に売り、巨額の情報提供料をせしめていた。

それどころか、中共と日本軍の停戦すら申し入れている。毛沢東の基本戦略は、日本との戦いは蒋介石の国民党に任せ、温存した力をその後の「国民党潰し」に使い、自分が皇帝になることだったのだ。

中国研究の第一人者が、徹底して渉猟した資料で物語る「中国共産党不都合な真実」。

著者について
1941年中国・長春市(元満州国新京市)生まれ。国共内戦を決した「長春包囲戦」を経験し、53年に帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』など著書多数。



(次の記事)
再確認『毛沢東に武器援助したのは米国』 2016/2/27(土)