白文鳥ポポを貰いに
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白文鳥ピピが亡くなったその時から我等夫婦の悲しみはいくばかりか。
ピピはご他聞に漏れず、とにかく人間が大好き。
くっついてくる。赤ん坊のように、後追いする。
(他人さんのユーチューブ)文鳥とダンス?
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キーボードを叩いていようが、包丁で野菜をカットしていようが、その動く指先に乗って、揺れを楽しむ。
キーボードを叩いていようが、包丁で野菜をカットしていようが、その動く指先に乗って、揺れを楽しむ。
初めて見るものは嘴(くちばし)で毒見をする。
寝ていると耳元に寄ってくる。
そして耳を咬む。愛咬ですね。
二人で外出しようと着替えをするとくっついて離れない。
部屋から出るときは絶叫する。「行かないで!」と言わんばかりに。
4年目くらいからでしょうか。
外出した妻が入り口扉に1mほど近づいたら、寝ていても突然泣き喚く。
ピピから扉までは6~7間(12m)もの距離があるのに不思議でしたね。
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(他人さんのユーチューブ)甘え上手な文鳥を詰め込んでみた
妻はピピの写真をPCで何度も観て、あの時は、この時はとつぶやく。
更に「白文鳥」で検索したユーチューブを観てピピとの日々を懐かしむ。
そして幾度も祭壇を兼ねたメモリアルの場所や配置を変える。
それはあたかも自分の生んだ幼子(おさなご)を亡くしたようでした。
亡くなった翌々日に妻の夢の中でピピが飛ぶ。
初七日の夜明け前、目覚めた私の頭上でピピが旋回する。
没後二週間目前後からでしょうか。
お互い、ちょっとしたことでも角が立ちましたね。
それもそうですね。いつもピピに話しかけていたのに、話し相手がいなくなり空虚な日が続きましたからね。
白文鳥のフィギュアをなでなでしながらフィギュアに話しかける妻。
このフィギュアの表情が実によくできているのでその想いも一層深まる。
この状態がいつまで続くのだろう。
堪りませんでしたね。
「また文鳥を飼わないか?」
「・・・・・・・・・」
「飼ったら二人の旅行はせいぜい一泊で遠出や海外は無理だが」
・・・・・暫しの沈黙後
「転勤転勤で、あちこち観光させてもらいましたから、
特別どこかに行きたいところはないし・・・・・」
ホームセンターの小鳥屋に注文しておいたらいいのですが、病気持ちが多いとかで小鳥屋から買うのを止めました。
そして指定の駅で下車。
先方のK夫婦(左の画像)と会い、ピンクの箱にいる雛を譲り受けました。
誕生日は11月18日か19日のようですから生後一ヶ月ですね。
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この子の孵化に気がついたのは目が開いてからだそうですから、握り文鳥になるのは難しいと思いました。小鳥は孵化後、最初に見えたものを親と思いますから。
注)自分の種の『刷り込み』と呼ばれ、小鳥は生まれて初めて見た自分より大きくて動くものを親と思う。かるがものヨチヨチ行列がいい例ですね。
ピンクの紙箱に入っている白文鳥の背中はグレイ。
でも、大きくなったらそのグレイは消えて真っ白になるとか。
帰りの電車の中でピンクの箱をマフラーで包んで抱いて雛の寒気を防ぎました。
「握り文鳥になるかしら」
「孵化後一週間以内だったら握りになるけど一般的には一ヶ月では無理のようだね」
「手乗り文鳥になるかしら」
「挿し餌をやるから手乗りはなりそうだね」
「それでもいいの。握りにならなくても。いてくれただけで」
「ピピちゃんのようになでなで出来たらいいね」
「あぁ、一緒に入浴し洗ってあげて、ドライヤーをかけたら握りになるかも」
ピピが迷い込んで来た当初は手乗りだけで握り文鳥ではなかったのです。
処が入浴後、いつも左手でピピを握りドライヤーをかけてあげたら、いつの間にか握り文鳥に変身したのでした。
ドライヤーの熱風が熱帯祖先の白文鳥にとって心地良いからでしょうね。
いつの日かその雛が握り文鳥となることを夢見ていましたね。
実は、もう一週間待ったら、孵化して間もない雛を貰えたのでしたが、それでは一ヶ月経った雛の貰い手は現れるのか?現れなかったらその行方はどうなるのか?
そう考えたら、まだ見ぬ握り文鳥になることは難しいと思える雛を愛おしいと思ったのでした。