20世紀の知の巨人達が神道に感動

 
著名な作家でありフランス国営文化放送プロデューサーでもあるオリヴィエ・ジェルマントマ氏は日本待望論』(平成10年)で、「日本人は自虐思想から脱し、国際社会に於いても、もっと毅然と千古脈々たる『大和魂』を発揮すべき」と述べていますね。
 
このような日本の精神文化の源は、日本国は四方八方大海という要塞に守られ、太陽・風雨・地震・雷・山などの大自然に神が宿るとした農耕民族の所産だと思っていました。
 
処が、どうやらこの日本の精神文化の源はそうではなく日本語にあったようです。
例えば虫の音をどう感じるか?です。
 
日本人はリンリンリン等と擬音語として捉えますが他国では騒音として捉えます。
つまり、他国ではスイッチョン等と虫の音を具体的に表す言葉がないのです。
 
虫や雨音などを日本人は左脳(言語)で受けとめ、 西洋人は右脳(音)で聞きます。
 
面白いのは、日本語を母国語として育った外国人は左脳(言語)で聞き、外国語を母国語として育った日本人は右脳(音)で聞くことです。
 
つまり、脳の物理的構造というハードウェアの問題ではなく、幼児期にまず母語としてどの言語を教わったのか、というソフトウェアの問題と言うことです
 
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このソフトウェアとは、
 
日本の子供が犬を「ワンワン」と答えるのは当然である。
親が犬を指して「ワンワン」と教えるのであるから。
同様に猫は「ニャーニャー」、牛は「モーモー」、豚は「ブウブウ」、小川は「サラサラ」、波は「ザブーン」、雨は「シトシト」、風は「ビュウビュウ」。
 
まるで自然物はすべて「声」をもつかのようである。
このような自然音を擬声語、擬音語として言語脳で受けとめるという
 
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これは、世界でも日本人とポリネシア人だけに見られ、中国人や韓国人も西洋型(音)を示すという
 
角田教授の発見では、虫の音だけでなく、そのほかの動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎまで、日本人は言語脳で聞いているといいます
 
これまた山や川や海まで、ありとあらゆる自然物に神が宿り、人間はその一員に過ぎないという日本古来からの自然観に合致しています
 
ご興味のある方は、下記URLをクリック。  
 
 
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以下、前回に引き続き細川一彦氏の随筆です。
 
日本の心  世界の声 その4
『20世紀の知の巨人達が神道に感動』
 
世界中のどの民族も、かつては固有の世界観を持っていました。それは固有の生き方ともいえるものです。我が国では、それにあたるものに神道(しんとう)があります。
 
神道というと、戦前の軍国主義と結びついた「国家神道」を思い浮かべる人もあるでしょう。また、原始的な宗教だと思う人もあるでしょう。しかし、神道はもっと豊かなものであり、そこには自ずと「日本の心」が現れているのです。
 
 日本人の多くは未だその価値を自覚していませんが、外国人の中には、日本の精神文化の中に、人類を導く可能性を感じている人々がいるのです。
 
 
◆トインビー
 
 アーノルド・トインビーは、世界の文明史を書き表した20世紀最大の歴史家です。彼は、日本は、明治維新による近代化や日露戦争の勝利によって世界史を転換させた、と高く評価しています。そして、次のように述べています。
 
 「日本はアジアで最初に近代文明を受け入れ、欧米に対等に対抗できたのだから、アジア諸国はその声に耳を傾けるだろう。そして、そこに人類が一つの家族となるための、日本の先駆けとしての役割がある」
 
 トインビーは、こうした日本の文化の根源には、神道があることを見出しました。彼は、昭和42年に来日し、11月29日、伊勢神宮に参拝しました。そこで彼は、毛筆で記帳し、次のように書きました。
 
 ”Here in this holy place I feel the underlying unity of all religions.”
  『この聖地で私は、すべての宗教の根底にある一体性を感じる』  (註1)
 
 
◆マルロー
 
 アンドレ・マルローは、フランスの作家です。
文化・芸術の研究家としても名高く、初代・文化大臣もつとめました。
 
昭和49年に来日したマルローは、5月27日に、熊野の那智滝で飛瀑を前にし、「アマテラス……」と言ったなり絶句しました。彼は、そこで啓示を受けたと言います。
さらに2日後には、伊勢神宮で第2の啓示を受けた、と。
 
 記者団の質問に答えて、マルローは「伊勢とアインシュタインの相対論的宇宙観とは収斂する」と述べました。彼は、神道によって、科学と宗教、東洋と西洋が融合する可能性を直観したのです。
 
 その後、彼は神道を礼賛し、日本の使命への確信を著書に著し、2年半後に永眠しました。(註2)
 
 
 
 アルバート・アインシュタインは、20世紀最高の天才科学者でした。彼は、自分の理論が証明された原子爆弾に対しては、核廃絶を訴えて行動しました。
彼はまた、神への敬虔な感情を持っていたことでも知られています。
 
 アインシュタインは、人類が初めて世界戦争を体験した第1次世界大戦の後、大正11年11月18日に来日しました。彼は、伊勢神宮に参拝し、そこで、次のように語っています。
 
 「近代日本の発展ほど、世界を驚かせたものはない。一系の天皇を戴いていることが今日の日本をあらしめたのである。私はこのような尊い国が世界の一箇所くらいなくてはならないと考えていた。
 
 世界の未来は進むだけ進み、その間、いく度か争いは繰り返され、最後の戦いに疲れる時が来る。その時、人類は真実の平和を求めて、世界の盟主をあげねばならぬ。
 
この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、あらゆる国の歴史を抜き超えた、最も古くまた尊い家系でなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まってアジアに還る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。
 
 我々は神に感謝する。我々に日本という尊い国を造っておいてくれた事を」(註3)
 
 
 
 これらの3人は、20世紀を代表する世界的知性です。彼らは、歴史家、文化・芸術の研究家、科学者と、それぞれ分野を異にします。しかし、彼らは等しく、日本の精神文化の中に、人類の未来を開く大きな可能性を見出しました。
 私たち日本人は、神道の中に現れた「日本の心」を再発見したいものです。(註4) 
 
 
(1)トインビーの神道論は、次の拙稿をご参照下さい。
 トインビーの文明学は、次の拙稿をご参照下さい。
(2)竹本忠雄著『日本のレジスタンス』(日本会議
(3)雑誌『改造』(大正12年)
 
 
 
(参考)
これまで掲載した『日本の心  世界の声』
 
 その1
『宣教師たちが称えた日本人の美徳』 
 その2
日本の「魂」を伝えた小泉八雲』 
その
リシャールの名詩『日本国に告ぐ』