消費税アップ 三党合意の目的とは

 
消費税アップの目的は何であろうか?
 
社会福祉東日本大震災の復興や災害対策のためのように言われているが果たしてそれはどうであろうか。
 
民主・自民・公明三党が合意する消費税アップとは、1999年に振り返れば、社会保障目的とは単なる口実で、財務省が国民に公言できない何かしらの切羽詰った事情が潜んでいるものと伺える。
 
日本で消費税の社会保障目的税がいわれるかといえば、1999年の自自公連立時に、財務省が当時の小沢一郎自由党党首に話を持ちかけて、「消費税を上げるために社会保障に使うと書いてください」と要請して政治上の取引で了解されたものだからだ。そうした政治的な経緯があるので法律ではなく予算総則に書いてある。
 
その財務省の話に乗ったのが民主・自民・公明の三党。
この三党の狙いは、恐らく、公共事業の利権、もしくは、日本を疲労・衰退させることにあるのではないか。
 
と言うのは、民主党政権になってから民主党マニフェストに記載された何が出来たのか?
 
或いは、三党合意で国民のために有益な法案の何が可決されたのか? 
先ずは三党の動きをみると、どうやら消費税の目的は公共事業にある。
 
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消費税の増収を見込んで凍結していた高松道と館山道(千葉県・木更津南―富津竹岡)、上信越道(長野県・信濃町新潟県上越)、東海北陸道岐阜県・白鳥―飛騨清見)の4区間の建設を4月に指示。
 
更に新名神高速道路三重県四日市市から滋賀県京都府大阪府を経由し兵庫県神戸市北区へ至る高速道路)の凍結区間の建設も命じている。
 
 
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自民、公共投資200兆円の法案を衆院提出
自民党4日、東日本大震災の復興や災害対策のため、10年間で200兆円の公共投資を行うことを柱とした「国土強靱(きょうじん)化基本法案」を衆院に提出した。大規模な投資を景気回復につなげる狙いがある。
 
民主、公明両党などにも成立へ向けた協力を求める。
(2012年6月4日20時25分 読売新聞)
 
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災害に強い国づくりと経済活性化をめざし、公明党は10年間で100兆円を集中投資する「防災・減災ニューディール」を提唱しています
 
公共投資額は、ピーク時には国と地方を合わせて年間約30兆円でしたが、現在は約15兆円にまで落ち込んでいます。これを10兆円増やせば、ピーク時の公共投資額に近づくことになります。
http://www.komei.or.jp/more/realtime/201205_02.html
 
 
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三党共に消費税アップの分の大半は公共事業に投入すると明言しているのに等しい。国債の償還や社会保障を唱えているのは口先だけと分かる。
 
然し、この世界的不況の時代に年間10兆や20兆程度の公共事業への投資は一部の利権者を除いて何等効果が無いことは、1933年に実証されている。
 
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挫折したニューディール政策
真珠湾の真実ールーズベルト欺瞞の日々
著者 ロバート・B・スティネット 他
 
1929年10月の暗黒の木曜日以来、深刻さを増すばかりのアメリカの大恐慌を克服するために、1933年3月に大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは、ニューディールと呼ばれる全体主義的経済政策を実行した。
 
注)ニューデールとは緊急銀行救済法で、TVA(テネシー川流域開発公社)などの公共事業もその中の一つ
 
1933年に25.2%と最悪の数字を記録したアメリカの失業率は、ニューディール政策のおかげで1937年には14.3%にまで下がったものの、翌年には19.1%にまで跳ね上がっており、14%以下になるのは、アメリカが太平洋戦争を行う1941年以降のことである。
 
ケインズは、『ニュー・リパブリック』誌で「私の説の正しさを証明できるに十分なほどの財政支出は、戦争でもない限り不可能だ」と言った
 
そこでニューディール政策で挫折したルーズベルトは、日本を挑発し、日本がアメリカと戦争をしなければ生きられないように追い込んで真珠湾を日本に攻撃させ、それを口実にアメリカは第二次世界大戦に参戦した。
 
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三党の目的は、公共事業であり、或いは日本を疲労・衰退させることにあるが、それでは財務省の目的は何であろうか?
                       つづく