【TPPとは何ぞや⑧】近未来は穀物高騰と円安の二重苦で飢饉

 
問題は、世界的気候異変での不作と、国際金融資本を含めた世界の投機筋が、穀物相場にウエイトを置いていることです。下記のグラフを御覧下さい。
 
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穀物相場表
 
全体的に分かる事は、何処かで不作になると、国際相場が跳ね上がることですね。
最近では、2008年と2010年です。上記のグラフでお確かめ下さい。
 
各国では、国内需要を生産が下回ると、禁輸措置をとります。
それに投機筋が相場を動かしますから、直ぐに倍の価格になっていますね。
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ロシア:穀物禁輸措置を解除へ-欧米の収穫は異常気象で打撃も
更新日時: 2011/05/30 07:50 JST

 カナダやロシア、欧州の干ばつや洪水が穀物生産に打撃を与えたことを背景に、世界の指標であるシカゴ市場の小麦価格はこの1年に2倍まで上昇。

ウクライナの輸出規制とともにロシアの禁輸によって供給が逼迫(ひっぱく)し、国際連合が調査する世界の食品価格が1-3月(第1四半期)に過去最高水準に達する要因となった。

出荷増で供給懸念が和らぐ一方、異常気象が他の地域の生産を抑制し、価格は高止まりする恐れがある。

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英国フイナンシャル・タイム誌 2010.08.09 かつてレーニン穀物を「通貨の中の通貨」と呼んだのには理由がある。穀物価格によってパンなどの主食物の価格が決まるだけでなく、穀物は飼料としても使われるからだ。
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上記のグラフでお分かりのように小麦・とうもろこし・大豆は二年間で二倍半上昇。
日本の肉・卵は輸入穀物を飼料としていますし、それは米国も同じこと。
 
世界的に肉・卵の価格は跳ね上がります。
 
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米も僅か5ヶ月弱で、2倍半、跳ね上がりましたね。
 
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更に、今後の人口増の問題では、人口増加率が穀物の耕地面積増加率を上回っていることです。つまり、毎年食糧不足は起きるということです。
 
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上記のグラフで日本の穀物自給率を見れば、感覚的にも日本の置かれている状況が分かると思います。それでは、今後の穀物価格はどうなるのでしょうか。
 
ただでさえ世界的気候の変動で干ばつが予想されるのに日本はTPP加入で大幅に減産し輸入に全面的に頼るわけですから、それだけでも急騰していきます。
 
それに穀物投機筋が買いに走りますから、高騰は2倍3倍どころではないでしょう。

更に、米国の背後に控える国際金融資本は、米国の輸出を増やすために現在は円高ドル安にしており穀物は安く輸入できますが、日本の農業と工業などの崩壊後から円安にもっていくでしょう。そうなると、輸入価格が高騰します。
 
穀物国債相場上昇と円安のダブルパンチですね。
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ドミニカ共和国の隣のハイチの悲劇
 
この国が財政危機のとき、IMFは食料の輸入関税を3%にするように要求。 ハイチの関税を強制的に下げさせたのだが、これによってアメリカからの農産物の輸入が急増してハイチの農業は自給を放棄した。 

その結果、ここで発生している食料価格の高騰でハイチ国内では暴動が発生。 国連平和維持部隊が出動していると言うことである。 ハイチの引き下げ前の食糧関税率は35%、引き下げ後は3%。 アメリカの農産物が価格面で圧倒的に有利になったことが原点である。
 
国家経済が破綻したら如何するか。 そのときに絶対的に必要なのは〔完全なる食糧の自給自足〕だ。 それならば 何とか国民は生きていけるし 経済知識が豊富の国民性があるから 経済力でも復活の可能性は高いのだが・・・
 
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日本は輸出で稼ぐためにTPPに参加すると民主党は言っていますが、果たしてそうなるのでしょうか。農業問題を観ると彼等の言うこととやることは違うのです。
 
農家への戸別所得補償は、農業の専業家と大規模化の為のはずでしたが、然し、民主党減反をする兼業農家にも適用しました。これで兼業農家も温存しました。
イコール大規模化は不可能ですから、生産コストは下がるはずはありません。
 
下記は長野県知事を勤められた田中康夫議員の記事です。
今回のTPPにまつわる輿石幹事長の不可解な行動が分かるような気がします。
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地方自治に携わった経験に基づき、一例を挙げましょう。
 
夫が県庁職員(自治労=民主党支持)、妻が学校教諭日教組民主党支持・輿石幹事長は日の丸掲揚反対、君が代斉唱反対を今も叫ぶ山梨県日教組代表)の兼業農家は、給与食得のみでも2人合算で、県民所得の4倍もの年収を得ています。紛れもない事実。
 
米、野菜等の耕作物の殆どは自家消費で申し訳程度に出荷するだけの彼らは、あにはからんや、週末に小一時間、ガーデントラクターを運転するだけで、(農業)“所得補償交付金の対象になります。何故って、販売価格よりも生産コストが高いからです。
 
一方、周囲の耕作放棄地も借り受け減農薬、有機農法に取り組む専業農家は、補償の対象外です。自律的・持続的な農業経営を実践すればこそ、辛うじて採算が取れているからです。皮肉な話ではありませんか。
 
ふるさと農道に象徴される往時の『ウルグアイ・ランド対策』公共事業よりも性質が悪い、公務員という名の労働貴族への「裏金」を即時撤廃し、片手間ならぬ真っ当農家の自立的・持続的繁栄に向け、真剣に議論すべきです。食料自給率の向上を夢物語で終わらせぬ為にもーと結んでいます。
 
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果たして、この単なる集票が全ての政権が、明日の日本を築けるでしょうか。
 
 
参考)農水省 グラフ
 
 
参考)私のTPPに関してのブログ記事
 
TPPとは何ぞや①】日本を滅ぼす野田首相のTPP参加表明
TPPとは何ぞや②】民主党野田政権とマスメディア
TPPとは何ぞや③】TPPを理解する為に知っておかなければならないこと
TPPとは何ぞや④】日本国滅亡への序
TPPとは何ぞや⑤】飛んで火に入るメタボ・ドジョウ
TPPとは何ぞや⑥】エピメテウスの化身・野田は、ノーダ!
TPPとは何ぞや⑦】TPPは日本の農業を壊滅さす
 
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