1981年頃、警官が目の前で殺人犯を射殺

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1981年頃、警官が目の前で殺人犯を射殺

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私の履歴書:30歳代編 No.173


不思議なものですね。

どうして、こんな場面に遭遇したのか。
そして、どうして、片づけをした事が無い部下が、この朝に限って荷台を掃除していたのか。

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私の履歴書・173

1981年(昭和56)、もしくは1982年の或る朝の事ですね。

宇品出島倉庫が開くのを待って2tトラックにC機を積みこみ、北上しました。
走行したのは広電・宇品通りの一筋西のバス通り。運転は部下の四宮君。私は助手席。

宇品御幸一丁目の千田廟公園の交差点は、朝の通勤の車で渋滞。(上の地図の赤丸の場所)
南東一方通行の路地(A)から、赤信号の交差点に入った小母さん、様子が変。

ほを被りし、かすりもんぺ姿。
よたよたしながら。夢遊病者?

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渋滞で交差点の真ん中に停まっている乗用車(B)の後部ドアを開けようとしています。
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でもドアが開かない。
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女性は諦めて、その後ろの車(C)へよたよたと。
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女性は後部ドアにほうほうの体で辿りついた時に、男が追っかけてくる。
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同じ方向(A)からふらふらしながら。
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女性は、開いたドアから後部座席に入ろうとするも、後部座席には人が乗っていて入れず。
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ここで男が追いつきました。
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男の手には、1m弱の白く不気味に光る長いもの。
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あの光から察すると、はがね。
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包丁だ! それも普通の包丁ではない。
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刃渡りは優に60cmはある出刃包丁??


イメージ 3.
「四宮! 長いバールを積んだか?」
「どうするのですか?」
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「あの出刃包丁をバールで払い落とす!」
「そんな!」
「急げ! バールを持って来い!」
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四宮君は、トラックから降りて、荷台でバールを探しました。
「水無瀬主任、バール、長いのを忘れてきました」

「何だと! 忘れて来ただと!」
「短いのはあります」

「何センチのものじゃ?」
「30cmのものです」

「馬鹿もん! それであの出刃包丁を打ち落せるか!」
「1m程の角材はあるか?」

「昨夕、全部降ろしましたのでありません」
いつもは、1m20cmのバールや角材を積んでいるのですが、BB課の連中が使って車に戻していない。



更に女性は崩れるように逃げてこちらに向かってきます。
私達からの距離10m。

男が、千鳥足で追っかけてきます。太極拳用響双刀のような出刃を振りながら。
何しろ、刃渡り60cm、刃先から棟の寸法15cmはある化け物出刃。

「わぁ~~、水無瀬主任、恐ろしいから逃げます」
そう言うなり、四宮君は運転席のドアを開けて逃げて行きました。


女性は、私達の車の二台向こうの乗用車(D)の後部ドアにもたれる。
辛うじてドアを開けて崩れるように入り込む。私からの距離7m。

処が、足が車の外に残っている。足を中に入れる余力が無かった。
男は、後部座席にうつ伏せになっている女性によりかかる。

ゆっくりと女性を突く。スローモーションを見ているように。
包丁を振り上げる都度、リアウインドを通して包丁がキラリと光る。

歯がゆかったですね。2tトラックの助手席から見ていて。
しかし、あの長い出刃の光には恐怖。素手では近づけない。

あれに少しでも触れたら、指の数本は一瞬で飛んでしまう。



三度ほど突いた時に、広島県警宇品署警官が自転車で到着。一人で。
女性に覆いかぶさっている男を怒鳴る。

男は、後ろを振り向き、警官にむかってにじみ寄る。
道路の真ん中から歩道にじりじり下がる警官。若い。二十歳代後半。27歳。

歩道で長い出刃片手の男(F)と警官(G)が対峙。
「包丁を捨てよ!」 二人の距離は3m。

男は依然と出刃包丁をぶらぶら。
酩酊状態。

遂に警官がピストルを抜く。
片方の足を下げて、両手でピストルを構える。

男は、刃向かう素振り。
警官は、ピストルを上空に向け、一発! 「パァ~~ン」

再度、ピストルを両手で構える。銃口は男の顔。
一瞬、男は牛刀を振りかざす。

「パン!パン!」
かんしゃく球音が二発した瞬間、男はパタッ!

イメージ 4

一瞬でしたね。
ゆっくり倒れるとか崩れるとかではなく、瞬時、地面に平になる。

男は、胸を二発撃たれて即死。
女性は救急車で運ばれるが途中に死亡。


実は、出刃包丁を振りかざした男は漁師。
女性は、その妻。

未明、漁を終え、いつもの時間より早く帰って来たら間男がいる。
間男と女房は直ぐに裸足で外に逃げる。

亭主は怒りの自棄酒を一升。
益々はらわたが煮えくり返ってくる。

何故か、女房が戻って来る。
謝罪の為か? それとも離婚の申し立てか?

怒り狂った亭主。遂に、出刃包丁を振りかざす。
とてつもなく長いやつを。

切られた女房、外に逃げてからが我等の見た光景。


尚、警官が天空に撃った一発目の弾は、交差点の理容店の屋根に落ちたのを知ったのは、中国新聞の夕刊記事で。瓦が一枚割れたそうです。


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私の履歴書 30歳代編 目次(1)~(3)
http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/folder/1495255.html
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