京都の未明は寒い
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京都に舞い戻るや否や待ち受けていたもの。.
それは、小銭しか残っていない財布。
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悲嘆する余裕などは無い。稼がなければならない。
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先ずは当面の生活費。
以前、京大大学院生の田舎の先輩に教わった質屋に行く。
その足で学生相談所へバイトを探しに行く。時期が時期。もう、割のいいバイトは無い。
しからば、これかと応募するも抽選。負ける。
しからば、これかと応募するも抽選。負ける。
ポツンと一つだけ残るバイト。時給80円の肉体労働。
それに、場所が松ヶ崎。始業が午前四時半。夢見る時間だ。
それに、場所が松ヶ崎。始業が午前四時半。夢見る時間だ。
成る程、誰も応募しないはず。但し、朝昼二食付。これが魅力。
やむを得なし。ここに決める。
やむを得なし。ここに決める。
帰宅がてら、インスタント袋メン500円分購入。
バイト代が入るまでの夕食は、これで過ごさなければならない。
バイト代が入るまでの夕食は、これで過ごさなければならない。
目覚まし二個を午前三時半にセット。
眠れる訳はない。十時前等寝た事が無い。
眠れる訳はない。十時前等寝た事が無い。
眠らなきゃ!眠らなきゃ!と逆に興奮。
そのままで目覚ましが鳴る。一睡も出来ず。
そのままで目覚ましが鳴る。一睡も出来ず。
着替えて、北白川の下宿の戸をそっと開くとブルブルッ!
弥生三月末。春とは言え、京都北部の夜明け前は殊更寒い。
弥生三月末。春とは言え、京都北部の夜明け前は殊更寒い。
高野川の松ヶ崎橋を渡り、西に向かう。
凡そ、徒歩四十分で目指すバイト先に到着。やれやれである。
続く
凡そ、徒歩四十分で目指すバイト先に到着。やれやれである。
続く