御茶ノ水橋口交差点で転倒
一瞬、灰色の世界。
誰かの大きな声で我に帰る。大の字の私。
誰かの大きな声で我に帰る。大の字の私。
視界には、東京の、青い、青い、空。
その視界の周囲に、人の顔。顔が重なる。
その視界の周囲に、人の顔。顔が重なる。
「大丈夫か?」
「血が頭から!」
「血が頭から!」
寝ながら後頭部に手を当ててみる。
こぶが出来ている。生温い。何故?
その手を目の前に戻してみる。手に鮮血。
こぶが出来ている。生温い。何故?
その手を目の前に戻してみる。手に鮮血。
「救急車呼ぶよ!」
あわてる。
「待ってくれェ~! これから受験なんだ!」
あわてる。
「待ってくれェ~! これから受験なんだ!」
手に持っていた袋が無い。
「鉛筆は?鉛筆は?」
鉛筆がなければ解答を書けない。
「鉛筆は?鉛筆は?」
鉛筆がなければ解答を書けない。
さあ~っと輪が崩れる。
皆、散らばっている筆記用具を探してくれる。
皆、散らばっている筆記用具を探してくれる。
ハンカチを後頭部にあてる。
間も無く血は止まるはず。頭部の血管は縦に走っているはず。
間も無く血は止まるはず。頭部の血管は縦に走っているはず。
受験に向かうこの所で滑った!!苦笑。これが運命か。
着席し、鈍痛に気が付いて右手のシャツをめくってみる。
まだらの内出血。腫れている。骨が痛む。
まだらの内出血。腫れている。骨が痛む。
試験が始まる。右手で思うように字が書けない。
後頭部の血は止まっている。
後頭部の血は止まっている。
二日間の試験は終わる。
奇跡は起きず。