雪の夕べ、寂蓮法師を偲ぶ

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「雪のあと 夕のほとりを立つ鳥よ 我を赦せや 思いは同じ」




雪が止んだ夕暮れの保津川の辺(ほとり)に歩み寄ると、辺をねぐらとしていた鳥が数羽飛び立ちました。

黒い鳥さん、驚かして御免なさい。
夕暮れの嵐山の光景を眺めて感傷的になっていたのは、鳥さん、私もあなたと同じですよ。

寂蓮法師を偲んでいたのですね。





参照)

「思ひ立つ鳥も古巣を頼むらむ 馴れぬる花のあとの夕暮れ」

           新古今和歌集  百五十四番 寂蓮法師


藤原俊成は、甥の寂蓮を養子にしました。
その後、俊成に定家が生まれ、定家は、和歌の才能を発揮してゆきます。
寂蓮は、身を引き、出家したのです。

「思い立つ鳥」→思い立って立ち去る私
「馴れぬる花」→住み馴れた俊成の家