京都へのプロセス

私の履歴書・50〈大学受験-2〉

女の園でありえない現象2-2》

京都へのプロセス

受験会場は100人程の教室。
男は僅か数人。

セーラー服を着た女性が一人。
周囲は、色とりどりの明るい服装の女性。

私は、丸刈りに詰襟の黒の学生服。
複雑な香水の香りが寝不足と困弊した私を襲います。



最初の英語の試験が始まる合図で、堅い木の椅子から腰を前にせり出したとたん、

  ★「何と言う事だ!!」★

私は、その一瞬(追記:エクスタシー)の過ぎるのを唖然と待ちました。



そして、机の上の両腕の中に、顔を埋めました。
「よりによって!!今!!」

脳が、疲労の極限に達したのがそれとなく分かりました。


顔を伏せていると、恐れていたにおいが下から漂います。
不味い! 困った!
手を挙げました。


試験官にトイレに行かせて欲しいと頼みました。
恐らく、私の机の真横に立った試験官は、何が起きたのか理解出来たと思います。


トイレには20分いました。
後始末をして、ひたすら、脳の回復を期しました。
うがいを何度もしたり、身体を動かしたり。


会場に戻りました。
アルファベットは見えるのですが、読めません。
単に、見えるだけなのです。
時間はどんどん過ぎて行きます。


「神は、私にどうせよと言うのか!」
再度、机に顔を伏せ眼を閉じました。


少しずつ、脳が回復して行くのが分かりました。
思考能力が戻ったのが終了30分前。
試験時間90分のうち60分のロス。


最初の長文の解答を終わったところで終了。
絶望でした。気落ちした私には、次の国語と数学の試験時間では夢遊症でした。


試験が終わり、会場のW大の校舎をを振り返り、心に言い聞かせました。

『これで全てが終わった!』


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我が青春の記『初恋慕情』目次
http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/63543334.html