彼女を抱いて三途の川を渡る

私の履歴書・40〈中学時代ー13〉
《真由子嬢が枕元に立つ》
丁度二年前の2006年1月10日午前1時過ぎに目覚めたものの半覚醒状態でした。
が、暫らくまどろんだ後、時計を見ると1時半。あ~、丑の刻か。


と、薄暗い部屋の中で、色白の鼻筋が通っている女性がたたずんでいます。
眼差しと横顔が何と素敵な。知性と教養に溢れて。

酒屋さんが玄関に来ました。代金2,200円。「半分、私が払うわ」と彼女が言います。
布団の中に寝ているはずの私なのですが、何故か私は立っています。

改めて彼女と向き合い、しみじみと視ますと彼女の微かな笑顔。
あっ!、その瞳は、ひょっとして真由子さん?!! 

中学時代の同級生の真由子さんの昨今の姿なのでした。懐かしい!
彼女は、白いドレスを着ています。髪の毛には白っぽいもの。

私は、その彼女を両手で抱き上げました。流石、結構、重たい!
そして私は、お姫さん抱っこした彼女を静かに左右にゆっくりと揺らしました。



そこで一瞬、暗闇となり気を失いました。目覚めると、私の身体は大きな川の土手にテレポートしていました。
川を渡ってしまったようです。川向こうに帰らなくては。

戻ろうと川沿いを歩きました。大きな高い橋があります。よじ登り橋を渡ると更に小さな橋。
全部石で出来ています。ここは何処?と思っていますと、橋の名前は「弁天橋」と誰かが教えてくれました。

帰宅までは、ここから徒歩で40分かな?そう思った瞬間、私は再度気を失いました。




私が、この世の彼女を抱きかかえて三途の川を渡ったのかもしれませんね。二年前に。