京都に在った諏訪湖より大きな池

京都市伏見区に、長野県の諏訪湖(面積13.3㎡・周囲15.9km)より一回り大きな池があったことを知る人は、もう、少なくなったでしょうね


分かり易く言えば、南北は、北は京都市伏見区伏見桃山城から、南は宇治迄。
東西では、東はJR奈良線、西は淀競馬場や男山を通る旧国道1号線


湖と言わないのは、深さが、90cm程しかなかったからである。


無論、古代、京都市内は、海であったことを知る人は、ほんの僅かな郷土歴史家だけでしょうね。

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写真古地図は、岩清水八幡宮が記されていますので、860年以降、秀吉の水路改修工事前と思われます。
京都周辺を知っておられる方は、この池の巨大さをイメージ出来ますね。


.参考)地図原本コピーは、下記私のブログ記事に掲載してあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/61587198.html
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これは、それ以降の地図で、大山崎歴史資料館に掲示されているものです。

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この歴史についてはさておき、伏見から見下ろす巨椋池おぐらいけ)から奈良を見わたせる景観に魅了された人に、桓武天皇・関白藤原頼通(よりみち)の子の橘俊綱(たちばなのとしつな)・豊臣秀吉を挙げることが出来ます。無論、いつの世も、みやびと達の舟遊び場でもありました。

残念にも、国営干拓事業で昭和8年(1933)着工、完成が昭和16年で、この池は消滅しました。
秋田県八郎潟もそうでしたね。

今は、昔を偲ぶと言えば、全平らな田んぼが広がっていることでしょか。1

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追記)2007.5月12日

肝心な事を書き忘れました。

谷崎潤一郎の小説「蘆刈」の中で、ここ巨椋池が登場する。
この小説を発表したのは、国営干拓事業が始まる前年の1932年。


作者が、水無瀬川桂川の合流地から程近い渡船場から、中洲に船で渡る。
そして、中州の蘆(あし)の中で、腰を下ろし、清酒正宗を飲みながらの月見である。


その時、同じく中洲で月見をしている男と知り合う。
この男は、巨椋池に月見に行く途中、この中州に立ち寄り、ここで月見となったのである。


小説は、この男の語りで、いよいよ本題に入る。
この男の父と、父と別れた「お遊さま」という女性との「巨椋池の別荘」を舞台に物語りは展開する。


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かって、貧し過ぎる夫婦が、いつか再び一緒になることを条件に、一旦別れるのである。


女性の方は、仕えていた豪商の正妻が亡くなり、後妻となってしまう。
父の方は、貧しさから脱っする事が出来ず、当時、僅かな収入しかならない蘆刈り人夫。


かっての夫婦の別れる時の約束は、事ここに至っては、果たせず。
言いたくはないが「覆水、盆に帰らず」なのである。

映画では、「お遊さま」というタイトルで、田中絹代が、美しく、切なく、この別れた妻「お遊」を演じている。古過ぎる映画ではあるが。

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追記)2012.10.30 巨椋池のその昔 (三川合流より抜粋)



巨椋池」は、太古に京都盆地をすっぽり覆っていた「旧山城湖」の名残である。
伏見の文明の夜明けは、渡来人による大陸文化の影響を大きく受けたと推測される。

 応神天皇の時代に朝鮮半島新羅(しらぎ)から渡来した「秦(はた)」一族(弓月国経由のヘブライ人)は大陸文化の輸入者であり、山城盆地開発の功労者である。 

秦酒公(はたのさけのおもと)が雄略天皇に沢山の絹を奉ったおりに、禹豆麻佐(うずまさ)の姓を戴く。太秦(うずまさ)の地名はこれに起因すると言われている。

 秦河勝広隆寺、秦忌寸都理(はたのいみきつり)は松尾大社、秦伊侶具(はたのいろぐ)は稲荷大社を奉祀した。 長岡京平安京の造営には秦一族に負うところ大であった。 

特に巨椋池北部の開発には貢献した。 また、高句麗(こうくり)、百済(くだら)などの朝鮮民族が山城盆地開発に尽力し、上狛(かみこま)・高麗(こま)などは、その故地である。

 巨椋池東岸の岡屋を本拠とした岡屋公は、百済王の後裔である。 
これらの、帰化人達は、直接・間接に巨椋池沿岸の開発に力を尽くした。 
とりわけ、巨椋池沿岸の水田開発には大きな力となった。



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(追記)2016.05.07 その昔、巨椋池埋立地に建売住宅を建てて販売し、ボロ儲けした近畿土地

1973年(昭和48年)頃、当時の京都本社『近畿土地(株)』がこの巨椋池の東よりの埋立地宇治市小倉)で建売住宅を販売。ボロ儲けしました。何しろ当時は大雨になると直ぐに床下浸水する土地なのに、それを伏せて販売したのです。
(地図)
https://www.google.co.jp/maps/@34.8947875,135.7837537,11263m/data=!3m1!1e3


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