京都・広隆寺の蝋梅と寒桜
咲いている。弥勒菩薩(みろくぼさつ)さんの建物の入り口に一本。
向かい側の池の傍に一本。
その時、お日様がのぞいて、黄色い素心蝋梅(そしんろうばい)は輝く。
モンシロチョウが、いっぱい止まっているかのように。
おはなし、したいのかな?
見られるのが恥ずかしいのかな?
友人に頼んだ。お正月に私からの弥勒菩薩さんへの伝言を。
遅ればせながら、私も今日、弥勒菩薩さんにお目どおりがかなえられた。
「あなたとお会いするのは、今回で何十回目ですかね」と問いかけたら
笑顔で小指を三本立てた。そうですね、三十回程になるでしょうね。
笑顔で小指を三本立てた。そうですね、三十回程になるでしょうね。
「シャッターを押してくれませんか」と。
彼らに質問した。
「おさい銭、しましたか?」
「しなかった」
「しなかった」
境内をぶらぶらしていたら、あっ!寒桜が咲いている!
間も無く、先程の連中が、おさい銭を終えて帰って来た。
「おさい銭して、弥勒菩薩さんは、喜んだでしょうよ。何と言っていましたか?」
「------------」
「『Good !』(グ~)と言っていたでしょう」と私は弥勒菩薩さんの真似をして指で丸い輪を作った。
☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆
今日の弥勒菩薩さんは、御機嫌だった。
京大生が、あの指を折ってから、弥勒菩薩さんとの距離は、ガードで遠くなった。
昔、あの、かすかな息が聞こえるような距離の時は、我が身を恥じ、心が洗われていくような
戦慄をおぼえたもの。
戦慄をおぼえたもの。
今、この距離での弥勒菩薩さんは、随分、やさしくなったものだ。