農薬から腎肝臓を守るスプルリナ


『農薬から腎肝臓を守るスプルリナ』

6日(土)の夕方、近くを散歩していたら、未だ赤くはなっていないが、赤とんぼが飛んでいた。そうか、すぐそばには農薬ラウンドアップを使わない田んぼがあるから、昨年と同様、赤とんぼが繁殖したのかと感激。

『今夏珍重なる赤とんぼが飛ぶ』 2018/8/6(月)
農薬ラウンドアップは、昆虫などの生殖機能を破壊する。ラウンドアップは小川などを汚染し、水中の虫が消え、更には、ラウンドアップで育っ野草の花の蜜を吸った、或いは野菜を食べた昆虫たちがやられたのであろう。この住宅地の田んぼでは、農家がラウンドアップの人体への影響を知って恐らく使わなかったからであろう。それで赤とんぼが復活したと言える。

さて、今回は、農薬から人体を保護するスピルリナの論文の一部を掲載する。


Protective Role of Spirulina platensis against Acute Deltamethrin-Induced Toxicity in Rats
ラットにおける急性デルタメトリン(註1)誘発毒性に対するSpirulina platensis(スピルリナ)の保護的役割

(註1)農薬(殺虫剤)デルタメトリン
合成ピレスロイド系殺虫剤。
小麦やお茶も含め大半の穀物・野菜・果物に殺虫剤として使用されている。葉物野菜などは、流水で表面に付着している農薬(殺虫剤)デルタメトリンを洗い流す必要がある。尚、食品経由の総摂取量調査の実際のデータはない。

Mohamed M Abdel-Daim , Said Mahmoud Moustafa Abuzead , Safaa M. Halawa・ Published n PloS one 2013 DOI: 10.1371/journal.pone.0072991

Abstract 要約
Deltamethrin is a broad-spectrum synthetic pyrethroid insecticide and acaricide widely used for agricultural and veterinary purposes.
However, its human and animal exposure leads to hepatonephrotoxicity. 
Therefore, the present study was undertaken to examine the hepatonephroprotective and antioxidant potential of Spirulina platensis against deltamethrin toxicity in male Wistar albino rats. 
Deltamethrin treated animals revealed a significant increase in serum biochemical parameters as well as hepatic and renal lipid peroxidation but caused an inhibition in antioxidant biomarkers. 
Spirulina normalized the elevated serum levels of AST, ALT, APL, uric acid, urea and creatinine.
 Furthermore, it reduced deltamethrin-induced lipid peroxidation and oxidative stress in a dose dependent manner. 
Therefore, it could be concluded that spirulina administration able to minimize the toxic effects of deltamethrin by its free radical-scavenging and potent antioxidant activity.

デルタメトリンは農業および獣医学の目的のために広く使用されている広域合成ピレスロイド殺虫剤およびダニ駆除剤。しかし、そのヒトおよび動物への曝露は肝腎毒性を引き起こす。

したがって、本研究は、雄ウィスターアルビノラットにおけるデルタメトリン(合成殺虫剤)毒性に対するスピルリナプラテンシス(通称スピルリナ)の肝保護作用および抗酸化作用(註2)の可能性を調べるために行われた。

(註2)抗酸化作用
活性酸素によって酸化を抑えることを、抗酸化と言い、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用と言う。体内で増えた活性酸素を除去していくことが、老化や、がん、心臓病、生活習慣病などの予防になる。
・Fruits and vegetables abound in antioxidants. : 
果物と野菜は酸化防止剤が豊富である。

デルタメトリン(合成殺虫剤)処理動物は、血清生化学的(註3)パラメータ(註4)ならびに肝臓および腎臓の脂質過酸化の有意な増加を明らかにしたが、抗酸化バイオマーカー(註5)の阻害を引き起こした。

(註3)血清生化学検査
生化学・免疫血清検査。血液の成分である血清や血漿、尿、穿刺液などを検体として、検体に含まれる各種成分を自動分析装置で分析・定量する検査

(註4)パラメーター
結果に影響を与える温度や圧力などの測定可能な要因。又は、変化する要因の限界、境界。

(註5)バイオマーカー
生物指標化合物。又は、生体指標◆体の状態や病態を示す指標

スピルリナは、AST(註6)、ALT(註7)、APL(註8)、尿酸、尿素クレアチニン(註9)の血清中濃度の上昇を正常化した。

(註6)AST

(註7)ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)
AST同様酵素の一種。ASTが心臓の筋肉や骨格筋、肝臓に多く含まれているのに対し、ALTは肝臓に一番多く含まれており、肝臓になんらかの異常があって細胞が壊れ過ぎていると、血液中にALTが漏れ出してくる。従ってALTで異常が認められた場合は、まず肝臓に問題があると考えられる。

イメージ 1

(註8)APL
※何の略か不明

(註9)クレアチニン(Creatinine:Cr)
筋肉で作られる老廃物の一つで、そのほとんどが腎臓の糸球体から排泄される。そのため、血液中のクレアチニンの増加は、糸球体の濾過機能が低下していることを意味す。ただし、筋肉が多い人は高めに、筋肉が少ない人は低めになるために、これだけでは正確性に乏しい検査。

 さらに、それはデルタメトリン(合成殺虫剤)誘発脂質過酸化および酸化ストレスを用量依存的に減少させた。

したがって、スピルリナ投与は、そのフリーラジカル(註10)捕捉および強力な抗酸化活性によってデルタメトリン(合成殺虫剤)の毒性作用を最小限に抑えることができると結論付けることができた。

(註10)フリーラジカル
不対電子を1つ、またはそれ以上もつ分子、原子をさす。
 すべての物質は分子から成り立っているが、その分子は原子核と分子から構成されている。通常、分子の中の電子は2つが対をなして安定して存在しているが、その電子が対をなさず、1つだけ離れて存在することがある。ラジカル(過激な)という言葉通り、電子が足りないために不安定で、反応しやすいという性質をもつ。



(これまでの記事)
スピルリナの効用の序』 2019/7/1(月)

スピルリナ:体内から放射能除去』 2019/7/1(月) 

『SPの保護効果:腎臓&肝臓毒性』 2019/7/3(水)

『スプルリナは膀胱がんから守る』 2019/7/4(木) 

『万病の元、歯周病防御スピルリナ』 2019/7/9(火) 

『都内の黒い粉塵:放射能含む藍藻(らんもう)』 2019/06/27

『再確認:放射性物質は毎日放出されている』 2015/12/14(月) 

放射能防御継続必然:ビタミンA』 2019/6/19(水)

『がんや諸病から守る重曹:目次』

(図)
AST、ALT|「肝臓の病態」を読む検査

今日のもう一つの記事
『韓国:虚偽と火病の民族性』
江戸時代の元禄から、韓半島人はまともではなかった。