ある突然死での私見
横浜のあるご夫人のご主人が亡くなってからこの8月で満3年となる。
時の流れとは早いものである。
そのご主人は、睡眠中の突然死である。
それも傍で寝ていた奥さんに知られることなくひっそりと。
ご主人の職業は医師。
行年は恐らく50歳代。
一般人からしたら20年も早死である。
事実、この年、芸能人や著名人の突然死が多発。
無論、関東の一般成人のみならず、高校生や中学生までも突然死する。
当時はそう思ったが、改めて思考してみると、医師の場合、それに輪をかけた原因があると思う。
医師の平均寿命は短命の58歳だと思っていたが、これは米国の場合で、日本の場合、例えば東京都の場合は10年長く、平均68歳のようだ。
このように医師の短命の原因は、不規則で過酷な労働を上げ、或は激務と孤独でうつ病となり、終いには自殺するというのも見かける。
二十年前の話だが、私は7年間、全国の病院を各現地の営業員と共に訪問し、院長、事務長、現場科長に挨拶訪問をしていたが、不思議に思ったのは、都市部の中堅病院の院長のデスクの上には握りこぶし大の薬の容器が置かれている。
「それは何ですか? 薬の見本ですか?」と聞くと、「抗生物質ですよ」と言う。
「どうしてそれが院長のデスクにあるんですか?」と聞くと、「毎日、色々な病人と接するから、それらの病気に感染しないように自分が飲むためだよ」と言って、院長は2~3粒をポイと口にほおり込む。
当時は「成る程、それでどこの院長の肌もきれいなんだ」と思ったりもした。
然し、今考えてみると、長期間ほぼ毎日抗生物質を飲んでいたら耐性菌が出来、いざという時に薬が効かなくなるし、更に腸の乳酸菌なども殺してしまい、免疫力の弱体化を招き、何等かの病に罹患した場合、あっという間に悪化するのではないかと思う。
残念ながらここ数年の医師の死亡率の推移のデータは見つからないが、私の独断と偏見によると、ここ数年の一般人との死亡率と医師の死亡率との差は、3.11以前と比較し確実に開いているはずである。
余談だが、中堅病院の院長の大半はタバコを吸うから気楽にタバコを吸えたし、大きな病院の院長の中にはパカパカ(競馬)をたしなむ御仁が幾人かいて、春秋のG1の時期にはその予想で話に花が咲いたものである。
後になってしまったが、先ほど述べた45日を過ぎて間もない亡きご主人を偲ぶ記事を以下に掲載し、改めてご主人のご冥福を祈りたい。
天国へ逝ったあなたへ 2012/10/3(水)
あれから何日経ったでしょう。
朝、起きたら、あなたが亡くなっていた。
たぶん、急性心筋梗塞。
うそだよね、悪ふざけだよね、驚かすつもりだよね…って思ってた。
だって、その前日は家族で一日中ずっと楽しく過ごしてたじゃない?
いつもと変わりなかったよ。
いつもと同じ、とっても楽しい一日だったよね。
美味しい料理を食べて、笑って…
ときどきあれは、夢だったんじゃないかとか、
テレビのワンシーンを見ていたような錯覚にとらわれる。
四十九日の法要も終わったね。
周りのみんながやさしいから、悲しくできない。
あなたは、いつも私が笑っているのが好きだったから、今、また元気に笑ってるよ。
時々、好きな歌を聴いて、涙して、また元気になるよ。
私はきっとだいじょうぶ。
あなたがいつも見守っていてくれるから。
そんなに強い霊感はないけれど、あなたの愛をいつもそばに感じるよ。
お母さんも元気になったよ。奇跡だね。あなたがそうしてくれたんだね。
あなたのものを片付けられないかと思ってたけど、片付けはじめてる。
ちょっとずつ、一歩ずつ、あなたのいない生活に慣れていく。
幸せは、長さじゃないよ。
二十数年間の結婚生活でも、私には最高の幸せだったし、
幸せだった日々は、あなたが亡くなっても、私の心の中に生きている。
あなたはずっと私の心のそばにいる。
だから、一人でもだいじょうぶ。
友達と普通に話をして、笑って、食事もしっかり取れてるよ。
私はとっても強いのよ。
それは、あなたも知ってたよね。
ありがとう。
あなたには感謝のことばしかない。
もちろん、けんかしたこともあったけど、あなたを理解して、長所も欠点も全部含めて、
お互いに無くてはならない存在になってたよね。
めぐりあえて良かった。
あなたのおかげで最高にしあわせな結婚生活だったよ。
いっぱい笑って、楽しくて、あなたといたら幸せでたまらなかった。
幸せすぎて、こんな幸せ長続きしないんじゃないかって思ってた。
あなたがいなくなっても、私は普通に生きているって不思議。
テレビ見て笑ってる不思議。
あれが食べたいって思う不思議。
私は一人で生きてるんだね。
頑張るよ。
がんばれるよ、きっと。
子供たちも遠くにいても、気にしてくれてるし。
私、誰かを頼らないと生きていけないような弱い人間じゃないよ。
それに、あなたはたくさんいろんなものを残してくれた。
ありがとう。
何回言っても足りないね。
あなたのためにも、私は明るく生きていくね。