片っ端から日本を売るTPP
先日、麻生副総理が米国CISAで、日本の水道や学校を民営化すると述べていましたね。
これは世界の流れに反するもの。多くの国では一旦は民間に任せた水道事業も、公共のものとして取り返している。
公共事業の民営化とは、企業が儲かるから事業を買取るのであって、それでもって市民が得をするなどということにはならない。
企業は儲からなければ水道代を何倍にも上げるし、儲からなければ撤退する。
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(↓)私の昨日のブログに貼り付けた麻生氏会見のゆーチューブ
ここの麻生氏の映像では47分から水道や学校の民営化推進を述べている
その文字版
Statesmen's Forum: His Excellency Taro Aso, Deputy Prime Minister and Finance Minister of Japan
質疑応答
「このロボットは一つの例ですが、例えばいま日本で水道というものは世界中ほとんどの国ではプライベートの会社が水道を運営しているが、日本では自治省以外ではこの水道を扱うことはできません。
しかし水道の料金を回収する99.99%というようなシステムを持っている国は日本の水道会社以外にありませんけれども、この水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものを全て民営化します。
いわゆる学校を造って運営は民間、民営化する、公設民営、そういったものもひとつの考え方に、アイデアとして上がってきつつあります」
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麻生氏は幾つかの提案されたものの中の一つのアイデアとして水道事業の民営化があるとして単に取り上げただけという見解もある。
(追記)麻生もロックフェラーの代理人に過ぎない。
麻生の娘・麻生彩子は、ロックフェラーのフランス分家のフランス人と結婚。尚、麻生太郎の祖父が吉田茂。吉田茂の父親吉田健三は、トーマス・グラバー(ロスチャイルド)の兵器会社ジャーディン・マセソン商会の日本の支店長だった。
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成長戦略に規制改革は欠かせない。その改革推進の突破口として『特区』と『インフラ運営の民間開放』がある。
これまで官業として運営されてきたインフラで、利用料金の伴うもの(空港、有料道路、上下水道、公営地下鉄等)について、民間開放を推進。
『特区』の延長上で、最終的には、道州制のもと、地域が独自性を発揮して成長していくモデルを実現。
つまり 『特区』とは、『ミニ独立国』である。
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つまり、彼は、日本の水道水まで国際金融資本に売ってしまおうというもの。この命の源泉である水道事業を、単に金儲けに、然も、世界人口9割削減を図る輩に委ねたらどうなると思いますか?
米国でさえ民営化率は15%なのだ。
欧州の水道事業の民営化の場合は、数百年の歴史があり、例えば仏国の場合は設備の売却は認められておらず、然も第三セクター方式で市民の監視体制がなされている。
然し、昨今、国際金融資本の連中に水道事業を売却したら、とんでもないことになり、反乱が起き、民衆と軍隊とが衝突した例もある。
諸外国と違い、日本ではほぼ100%水道料金を回収出来ていますから、金儲けの連中にとっては金鉱脈。
連中は、水道事業を買収した当初だけ買収条件として水道料金を上げないが、頃合を見計らって、何やかにやの屁理屈でド~ンと値上げするのが常套手段。
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コチャバンバ「水戦争」から10年 民営化阻止の民衆闘争をふり返る 放送日: 2010/4/19(月)
である水をめぐり、壮絶な「水戦争」が起こりました。
(参考)私の昨日のブログに貼り付けた二つ目のゆーチューブ
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その数カ月前にはシアトルで、WTOへの抗議行動で総会が中止
になっており時を同じくして米大陸の南北で企業中心のクローバリ
ゼーションに対する民衆の抵抗を象徴する事件が起きました。
コチャバンバ市では政府が米国企業ベクテルに水道管理権を
売り渡したことに危機感を抱いた民衆が一斉に立ち上がり、
契約取り消しをもとめて広場を占拠しました。
政府は軍を投入し、戒厳令を発令して弾圧しましたが、「水の権利」
を守ろうとする民衆の反乱には勝てず、結局は民衆の要求に屈しました。
誰がどのように反対運動を組織したのか、「広場の占拠」が始まった経緯はエボ・モラレスの役割は、などなど興味深い話がつづきます。
「勝てるなんて誰も思っていなかった」というマルセラ・オリベラは、
民衆が立ち上がれば何一つ変えられないものはない、政府の既定路線であってもひっくり返すことができると水戦争が教えてくれたと言います。
「広場の占拠」が闘争の中心になったのは、公共のものである広場を市民が使うことは市民の権利であると主張するためでした。
この闘いは水だけの問題ではなく、自然や住民の生活にとって重要なことを誰が決めるのかを問う民主主義の闘争であり、民営化に対抗する別の道を見出すための第一歩でした。(中野)。
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スペイン映画『イーヴン・ザ・レイン / Even the Rain』。
「映画内では、スペインの征服のさいに奴隷化された原住民と、その後500年近くも経っているが、奴隷のような安い賃金で働かされているボリビア人が映し出されている。
ポールは「わたしは、2000年にこのボリビアで起きた水紛争を見たが、それはまるで500年前にスペインに征服された原住民を見ているようだった。
彼らボリビア人は石や棒を使って軍隊と戦っていたんだよ。しかも彼らは、500年前のように金や奴隷を理由に争っているわけではなく、我々が生きる為の基本となる水の為に争っていたんだ。
あれは、あくまで商業取引を目的にした大開発で、お金儲けをしようとしていただけだ! だから、そこに反対する民衆がでてきたんだ!」と真剣な眼差しで語った。(中略)
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フィリピンの場合
フィリピンの水道事は民営化され、ヨーロッパの多国籍企業の経営となりました。
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「世界の〈水道民営化〉の実態―新たな公共水道をめざして」
そのほとんどに共通するのは、一度は多国籍水道企業の手に渡った水道事業が、住民と水道に関わる労働者などを中心とする民営化反対のたたかいによって、再び公共水道として運営されるようになったという流れである。
水は公共財であるという認識が広がり、水道民営化が一度は失敗したという事実に勇気付けられる。全てのものを商品化しようとする経済のグローバル化(その重要な柱でらる民営化)に歯止めがかかったのだ。
フィリピン・マニラ市で民営化が進められた背景には、公共セクターが非効率で腐敗していたという事実がある。
ヨーロッパや米国では、19世紀半ばまで民間企業が水道事業を担っていたが、それが自治体による公営水道に置き換えられてきた。
「民営化」の本家本元のように思われる米国でさえ、人口の八五%が公営水道のサービスを受けている。
これに対し、インド・ケーララ州では州予算がパンチャット(村落自治会)に渡され、予算の優先順位が住民たちによって決められている。そして住民たちが資金の一部を出して水道プロジェクトが進められている。
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世界の水道事業を調査した長文の卒論がある。
これが結構詳しい。
ご興味のある方は下記URLをクリック。
「資金調達と効率的な運営を期待して推し進められた民営化ではあるが、実際、民営化されたところでは、貧困者層へのサービス提供が行われなかったり、料金が不当に値上がりしたりするといった問題が多い。最終的に経営が困難になり、サービスを中止してその地域から撤退した企業もある」
書庫『安倍:日本版FEMA』
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